組み替えによる平成17年度消費収支決算書
科目の解説
1.帰属収入について
(3)寄付金 資金収入の寄付金のほかに、現物寄付3,295千円が含まれます。
(6)資産売却差額 有価証券等の売却益ですが、74百万円の売却益を確保できました。
2.基本金組入額について
  学校法人が教育研究活動を行うためには、校地、校舎、機器備品、図書、現預金などの資産を持ち、これを「維持する」必要があります。学校会計では、これら学校法人の諸活動に必要な資産を取得するために、「帰属収入から充てた金額」をもって、「維持すべき金額」とし、これが「基本金組入額」と呼ばれているものです。本学の組み替えによる消費収支計算書では、帰属収入と消費支出の差額(=経常収支差額)と基本金組入額を比較しやすくしたものであります。当年度の基本金組入れの内容は、別掲資料の基本金明細表のとおりですが、中高及び法人における当年度の施設関係支出と設備関係支出(図書支出含む)、さらに当年度未払いによる未組入額や前年度未払金による未組入れのうち当年度支払による組入額を差引すると、当年度の基本金に組入れるのは、12,473千円ありますが、大学では、除却した資産が当年度取得による組入額を上回るため、基本金取崩額73,566千円となります。また借入れによる未組入れのうち当年度返済による組入額186,632千円、また、積立金への基本金組入額は、第3号基本金の取崩し100,000千円と新たな繰入5,442千円を差引いた△94,558千円となりました。
3.消費収入について
  消費収入は、本来帰属収入から基本金組入額を控除して算出されるもので、消費支出に充当できる収入のことをいいますが、組替えた表を掲載している関係から、本表における消費収入欄はありません。
4.消費支出について
(1)人件費

退職金について、「資金支出」では、実際に支出される額が計上されますが、「消費支出」では退職給与引当金取崩額と相殺するので、退職給与引当金を計上していない役員(理事・監事)退職金が残ります。また、在職教職員に関わる発生経費である退職給与引当金繰入額が計上されています。(退職給与引当金の計算は、在職教職員 (年度末退職者を除く)の年度末における学園退職金を基にして、県の退職金財団交付金想定額との相殺、大学退職金財団は、掛金累積額と交付金累積額との差額を調整、と異なる方式で行うこととなっています。この算出された金額(引当金)から取崩した前年度引当金残額を差引いた額が繰入額となります。)今年度は通信教育部設置事務室の職員分が法人扱いとしなければならないため法人の退職給与引当金繰入額が大きくなっています。

(2)教育研究経費 及び
(3)管理経費
資金支出のほか、発生経費である減価償却額が計上されています。また、消耗品等の現物寄付も含まれています。
(5)資産処分差額 図書の廃棄に伴う除却損686千円と、有価証券の処分差額70,632千円です。
(7)予備費 当年度は、大学の教員人件費に4,500千円、大学の管理経費(広報費及び業務委託費)に35,500千円を使用しました。資金収支計算の予備費と同様ですが、設備関係支出の分は除かれます。

各図表で収入の科目と、それに対する支出科目を注視して頂きたいと考えております。人件費のウェイトが大きいことがわかって頂けると思います。この図にも現れていますが、補助金の項で述べたように補助金の多寡が、法人運営に重大な影響を与えることとなります。