3.事業計画書
【基本認識】
本学園は2017(平成29)年に創立130周年を、大学は2016(平成28)年に創立50周年を、それぞれ迎えます。校祖先生の建学の理念と精神を受け継ぎ、現在、中学校、高等学校、大学(通学部・通信教育部)、大学院を擁する、生徒・学生数を合わせて4,000人近くの学園へと発展しました。また、4月には三田市に神戸親和女子大学附属親和幼稚園を開園します。
しかし、学園経営を取り巻く環境は、長期的に続く少子化の影響もあり、その厳しさを加速度的に増しています。大学は、いわゆる18年問題を控え、各大学ともいっそうの競争的環境に対応を迫られています。中学校においても、すでに児童の大きな減少期に入っています。今後も、この少子化の傾向に歯止めがかからない限り、その深刻度は増すものと認識しなければなりません。
本学園においても、事態は同様であり、その対応策が迫られています。この厳しい環境を乗り越え、充実発展を目指すために、昨年3月の理事会で大学・高中及び学園の「第2次10年構想5か年計画」を策定しました。また、12月には学園経営会議で、計画を実質化しそれらの実現を図るために、具体的な5か年の収支予測を作成しました。
さらに、「経営理念」にありますように、学園は言うまでもなく教育(研究)機関であり、経営は教育の充実発展のために必要です。また一方で、生徒・学生への教育の進化発展なくして、経営の展望を拓くことはできません。こうした厳しい現状を乗り越えていくためには、すべての教職員が真摯に受け止め、新たな未来を切り拓いていく強い意志をもつことが不可欠です。教職員のいっそうのご理解とご努力をお願いする次第です。
このような基本認識のもとに、2016年度の事業計画及び予算編成に関する基本方針を以下の通りとします。
【事業計画】
基本方針
-
「第2次10年構想5か年計画」に基づき、具体的な事業計画を策定する。
-
目標を明確にした上で、事業の精選と重点化に努める。
-
事業計画の策定に当たっては、自立かつ全体的な財政展望のもとに策定する。
-
新規事業の策定に当たっては、スクラップ・アンド・ビルドの原則に基づき、優先順位を明確にする。
【予算編成】
1.基本方針
- 事業計画のもとに予算編成をする。
- 基本金繰入前当年度収支差額(帰属収支差額)プラスを目指す。
- 大学は、教育研究費・管理経費を合わせて、2015年度補正予算額より5%削減する。
- 高中は、教育研究費・管理経費を合わせて、2015年度補正予算額より10%削減する。
- 予算の前提となる学生・生徒の入学生数・在籍数を明確にする。
- 大学は、学部入学者数470人を確保することを原則とし、在籍者数を明確にする。
- 中学は、入学者数180人、高校は30人を確保することを原則とし、在籍者数を明確にする。
2.重点施策
-
「第2次10年構想5か年計画」に基づき、人件費の抑制と人的効率を高め人件費比率の是正に努める。
- 「第2次10年構想5か年計画」に基づき、年次の施設計画を立てる。
事業計画(案)及び予算編成(案)の精選と実質化
各経営会議(大学、高中、学園)において、それぞれの事業計画及び予算編成(案)(見積書、前年度・本年度実績との比較等)を、「第2次10年構想5か年計画」のもとに精選し実質化を図る。
|
|
【1.入学者数・志願者数等の計画】
入学者数は、次のとおり見込んでいます。
(単位:人)
区分 |
当年度
予算(A) |
前年度
予算(B) |
対前年度比
(A)−(B) |
神戸親和女子大学 |
大学院 |
15 |
20 |
△5 |
文学部 |
50 |
65 |
△15 |
発達教育学部 |
400 |
423 |
△23 |
通学部計 |
465 |
508 |
△43 |
通信教育部 |
202 |
160 |
42 |
通信教育部(秋期) |
55 |
40 |
15 |
附属幼稚園 |
73 |
- |
- |
計 |
795 |
708 |
87 |
親和女子高等学校 |
215 |
257 |
△42 |
親和中学校 |
180 |
180 |
0 |
総合計 |
1,190 |
1,145 |
45 |
- 神戸親和女子大学学部
入学金300,000円、授業料800,000円、施設設備充実費100,000円(ジュニアスポーツ教育学科は150,000円)、教育充実費(総合文化・心理学科180,000円、児童教育・福祉臨床学科210,000円、ジュニアスポーツ教育学科260,000円)
- 神戸親和女子大学大学院(長期履修学生は除く)
入学金200,000円、授業料450,000円、教育充実費(心理臨床学専攻250,000円、教育学専攻150,000円)
- 神戸親和女子大学通信教育部(正科生)(スクーリングは除く)
入学金・編入学金30,000円、教育充実費(設備費)15,000円、授業料140,000円
- 神戸親和女子大学附属幼稚園
入園料(1年保育60,000円、2年保育70,000円、3年保育・満3歳児保育80,000円)、保育料(4歳児・5歳児258,000円、3歳児282,000円、満3歳児300,000円)、施設料10,000円、空調費9,600円
- 親和女子高等学校
入学金300,000円(内部進学者 200,000円)、授業料360,000円、施設整備費180,000円、教育充実費60,000円。
- 親和中学校
入学金300,000円、授業料360,000円、施設整備費180,000円、教育充実費60,000円。
(単位:人)
区分 |
当年度
予算(A) |
前年度
予算(B) |
対前年比
(A)−(B) |
神戸親和女子大学 |
大学院 |
28 |
36 |
△8 |
文学部 |
210 |
232 |
△22 |
発達教育学部 |
1,649 |
1,658 |
△9 |
通学部計 |
1,887 |
1,926 |
△39 |
通信教育部
(正科・課程正科生) |
681 |
722 |
△41 |
通信教育部
(科目等履修生) |
587 |
723 |
△136 |
附属幼稚園 |
258 |
- |
- |
大学計 |
3,413 |
3,371 |
42 |
親和女子高等学校 |
700 |
761 |
△61 |
親和中学校 |
539 |
548 |
△9 |
高等学校・中学校計 |
1,239 |
1,309 |
△70 |
総合計 |
4,652 |
4,680 |
△28 |
- 入学志願者数
入学志願者数は次のとおり見込んでいます。
区分 |
人数(人) |
神戸親和女子大学 |
大学院 |
23 |
文学部 |
145 |
発達教育学部 |
1,569 |
通学部計 |
1,737 |
通信教育部 |
470 |
計 |
2,207 |
親和女子高等学校 (注) |
215 |
親和中学校 |
680 |
(注)親和女子高等学校は、2015年度より30名外部募集。
- 入学志願者の入学検定料
入学検定料は、現行額(大学院・学部30,000円、中学校20,000円)と同額とします。
【2.教職員の要員計画等】
教職員数の計画は、次のとおりです。
- 神戸親和女子大学 (単位:人)
区分 |
当年度
予算 |
前年度
予算 |
対前年比 |
教員 |
文学部 |
16 |
17 |
△1 |
発達教育学部 |
63 |
63 |
0 |
大学院 |
0 |
0 |
0 |
附属幼稚園 |
18 |
- |
- |
本務計
内、任期制教員 |
97 |
80 |
17 |
36 |
36 |
0 |
兼務
(非常勤講師) |
春学期 |
127 |
127 |
0 |
秋学期 |
124 |
99 |
25 |
通信(注1) |
72 |
72 |
0 |
附属幼稚園 |
2 |
- |
- |
職員 |
本務 |
71 |
72 |
△1 |
兼務 |
20 |
29 |
△9 |
計 |
91 |
101 |
△10 |
(注1) 通学部との兼務含む。
(注2) 本務、兼務の「区分」は学校法人会計基準に準拠して表記しています。
- 親和女子高等学校・親和中学校 (単位:人)
|
当年度予算 |
前年度予算 |
対前年比 |
教員 |
本務 |
高等学校 |
39 |
36 |
3 |
中学校 |
27 |
32 |
△5 |
兼務 |
高等学校 |
21 |
18 |
3 |
中学校 |
10 |
13 |
△3 |
計 |
97 |
99 |
△2 |
職員 |
本務 |
高等学校 |
9 |
10 |
△1 |
中学校 |
9 |
9 |
0 |
兼務 |
高等学校 |
9 |
9 |
0 |
中学校 |
6 |
5 |
1 |
計 |
33 |
33 |
0 |
- 法人事務局 (単位:人)
|
当年度予算 |
前年度予算 |
対前年比 |
職員 |
本務 |
5 |
5 |
0 |
兼務 |
0 |
0 |
0 |
計 |
5 |
5 |
0 |
- 人事方針
適正な人事を行うとともに教職員の資質向上のために、人事方針を以下の通りとする。
- 求める教職員像を明確にする。
- 5か年計画にもとづいて採用人事を行う。
- 教職員の資質向上のためのFD研修及びSD研修を計画的(3年計画)に行う。
- 教職員の資質向上のために助成制度を設ける。
- 教育職員に対する重点施策
- 神戸親和女子大学
- 学園の財政健全化計画に基づき、教育研究目的に適う教員組織を構築し、運営する。
- 本学が求める教員像に基づき、教員組織の構築を図る。さらに、その教員像をFD活動にも活かし教員組織を充実させる。
- 親和女子高等学校・親和中学校
- 教員間での授業公開と授業研究、生徒による授業評価を実施し、授業の改善と教員の授業力向上を図る。
- 初任者研修の一層の充実とともに中堅教員の評価と育成を図る。
- 職員研修を通じて、電子黒板等のICT教育機器の利活用の能力を高める。
- 校外の研修を活用し、生徒の心の問題に対する対応能力の向上を図る。
- 本校の教員研修制度を活用し、個々の教員の専門教科の力の向上を図る。
- 事務職員に対する重点施策
- 神戸親和女子大学
- 学園の財政健全化計画に基づく人事計画を実施する。
- 具体的施策として、業務の効率化・合理化及び組織の改編を検討・実施するとともに事務職員各自の資質・能力の向上に資するSD活動や専門的な研修制度を拡充する。
- 人事計画に基づいた業務体制の見直しと業務規模の適正化を進める。
- 親和女子高等学校・親和中学校
- 事務処理の効率化の推進、資質の向上を継続的に行う。
- 職員の専門的知識を高めるとともに、若手専任職員の育成に注力する。
- 学校運営を円滑に行うため、教育職員・事務職員の事務連携強化を図る。
- 法人事務局
- 人事委員会規程に基づき、人事に係る選考・手続の一元管理を図る。
- 研修に関する規程に基づき、研修委員会の年間計画(学園研修及び部門別研修)策定及び実施を支援する。
- 業務の効率化及び組織力の向上を図るため、大学部門、高中部門との連携強化に努める。
【3.役員及び評議員について】
- 理事:14人 (うち、理事長、常務理事1人)
- 監事:2人 (非常勤)
- 評議員:39人 (兼、理事 14人を含む)
【4.ガバナンス機能を発揮する体制】
- 常任理事会
理事会からの委任に基づき、執行機関として、常設の常任理事会で機動的に意思決定するとともに、各設置学校の主要な課題について協議し課題解決を図っていく。
常任理事会には、監事1名が交代で出席し、議案の適正性、報告事項の充実性について適宜意見を述べる。
- 経営会議
戦略的な学園経営にあたり、学園経営会議・大学経営会議・高中経営会議を設けて、大学、高中の部門別にそれぞれの経営戦略に関する重要事項や中長期的な課題について協議するとともに、組織横断的かつ有機的に経営改革を進める。
- 内部監査委員会
学校法人の各組織の仕事の効率化・適正性・コンプライアンスについて検討・評価する監査業務を、理事長のもとに設置している内部監査委員会が担う。
各年度における監査結果を踏まえ、業務の改善や是正に繋げていく。
- 監事と監査法人との情報交換
監事と理事者および監査法人三者の定期ミーティング機会を設け、財産の状況の適法性、経理処理の適正性や業務の効率性・合目的性等の監査実施に係る情報交換を行う。
また、内部監査委員長が、内部監査実施計画や内部監査結果の報告をするなど、三様監査の連携に努める。
- 財務情報の開示
財務数値や財務指標など財務に関わる情報については、学校法人親和学園のホームページに掲出することにより適切に開示することに努めている。
- 公益通報者の保護体制
本学園における公益通報者の保護、公益通報の処理等に関して必要な事項を定めており、業務に関し法令違反行為の早期発見及び是正を図る体制を整備している。
【5.2016年度の施設・設備関係の主な事業計画】
- 神戸親和女子大学
- 教育研究用施設設備の充実については、それぞれの教育研究上の将来構想、施設設備の需要予測、既存施設設備の有効利用、全学的優先度・耐久年数および財政等を総合的に検討して、順次年次計画での実施を図る。
建物構築物改修計画 |
予算額 |
学生寮内装改修工事 |
4,126,000 |
学生寮食堂他空調改修工事 |
2,830,000 |
学生会館食堂改修工事【2期】 |
7,020,000 |
5号館他トイレ改修工事 |
2,700,000 |
大学周辺環境整備工事 |
11,003,000 |
AV関係改修工事 |
予算額 |
大教室マルチメディア整備【2期】 |
16,542,000 |
- 教育研究用機器備品等の充実については、教育研究の内容と方法の高度化、多様化に対応させ、それぞれに即した計画的な整備充実を図る。
- 親和女子高等学校・親和中学校
|
予算額 |
中学棟全教室(21教室)に電子黒板の設置工事 |
25,186,000 |
校舎外壁の改修(第2期)・屋上防水工事 |
86,000,000 |
階段等の手すりの塗料塗り替え工事 |
750,000 |
LED照明の順次設置工事
(高校棟2階下足場〜高校1年廊下、小体育館、図書館) |
8,300,000 |
講堂客席椅子更新(貼替)工事 |
850,000 |
|
|
|
【1 2016年度予算の概要】
【2 主要財務比率の推移】
(単位:%)
財務比率 |
部門 |
2012年度
決算 |
2013年度
決算 |
2014年度
予算 |
2015年度
予算 |
2016年度
予算 |
経営状況 |
事業活動収支差額比率
(帰属収支差額比率) |
大学 |
2.5 |
7.0 |
-0.2 |
-1.2 |
12.7 |
高中 |
5.2 |
2.1 |
-0.1 |
-8.1 |
-15.6 |
全体 |
1.3 |
3.4 |
-0.2 |
3.7 |
5.0 |
収入構成 |
補助金比率 |
大学 |
8.2 |
10.5 |
6.5 |
6.7 |
7.0 |
高中 |
28.9 |
29.6 |
30.5 |
29.5 |
30.7 |
全体 |
15.1 |
16.6 |
14.2 |
13.0 |
13.4 |
支出構成 |
人件費比率 |
大学 |
59.4 |
57.1 |
57.6 |
55.0 |
54.3 |
高中 |
71.9 |
75.5 |
74.3 |
74.4 |
75.0 |
全体 |
64.6 |
64.0 |
64.8 |
58.5 |
62.3 |
教育研究経費比率 |
大学 |
27.2 |
25.0 |
29.0 |
30.3 |
32.0 |
高中 |
16.6 |
17.1 |
17.3 |
22.3 |
29.2 |
全体 |
23.5 |
22.5 |
25.2 |
25.7 |
31.1 |
収支バランス |
人件費依存率 |
大学 |
68.4 |
68.4 |
66.1 |
61.3 |
61.8 |
高中 |
103.3 |
110.4 |
109.7 |
108.6 |
111.6 |
全体 |
80.2 |
81.4 |
80.1 |
76.0 |
76.3 |
基本金繰入後収支比率
(消費収支比率) |
大学 |
99.6 |
101.0 |
102.0 |
103.6 |
104.1 |
高中 |
99.4 |
110.5 |
347.7 |
115.1 |
124.1 |
全体 |
101.8 |
106.2 |
132.1 |
102.2 |
113.0 |
注:財務比率の算式は次のとおり。
学校法人会計基準の改正(2015年度予算から適用)による上表の字句の変更
帰属収支差額比率→事業活動収支差額比率
消費収支比率→基本金組入後収支比率
帰属収入→事業活動収入
消費支出→事業活動支出
- 事業活動収支差額比率: 基本金組入前当年度収支差額÷事業活動収入
2014年度以前 帰属収支差額比率 (帰属収入-消費支出)÷帰属収入
- 補助金比率: 補助金 ÷ 事業活動収入
- 人件費比率: 人件費 ÷ 経常収入
2014年度以前 人件費比率 人件費÷帰属収入
- 教育研究経費比率: 教育研究経費 ÷ 経常収入
2014年度以前 教育研究経費比率 教育研究経費費÷帰属収入
- 人件費依存率: 人件費 ÷ 学生生徒等納付金
- 基本金繰入後収支比率:
事業活動支出÷(事業活動収入-基本金組入額)
2014年度以前 消費収支比率 消費支出 ÷ 消費収入
|
|
|
|
2.収支補正予算 |
|
|
3.事業計画書 |
|
|
|
最新の予算・決算は財務状況トップよりご覧下さい |
|