|
|
1.学園をめぐる状況
(1) 現状認識
AI&ITに代表されるテクノロジーの革新とグローバル化による社会の変化のスピードは、私たちがかつて経験したことのないレベルのもので、その衝撃の影響度は計り知れない。まさに予測不能で、Ups and Downsの激しい「乱気流の時代」が到来したと言えよう。
一方で、日本では人口減少に歯止めがかからず、超少子化と超高齢化の波が容赦なく押し寄せてきている。2030年までの人口動態によれば、約1000万人が減少する。高齢化も急速に進行し、人生100年時代とも言われている。
このような厳しい環境に直面し、学園の経営状況もその厳しさを増しており、待ったなしの状態であると認識している。2019年度の大学の入試結果は、まさに「乱気流」の影響を直に受けたかのように大きな定員割れ(定員415名に対して、373名の入学者)を経験した。54年の歴史上、初めての大幅な定員割れであった。そのために大規模な補正予算が必要となった。高中においても、中学において174名(240名募集)の、高校において14名(30名募集)の、それぞれ入学者であった。中高全体で270名の募集で、入学者は188名であり、この状況が数年続き、財政を圧迫している。
このような厳しい現実への対応として求められることは、社会が「新しい現実」に直面していること、そしてその中で学園がさらに「厳しい現実」に直面していることを、あわせて率直に受け入れ認めることである。残念ながら教職員にこの認識がまだまだ十分だとはいえない。この状況のもと、手をこまねいてやり過ごせば、なんとかなると考えているなら、そのこと自体が大きなリスクである。こうした現実は、一時的な現象ではなく、「ニューノーマル」な現象であることを理解することが非常に重要である。「乱気流」は何度も襲ってくると考えた方がよい。今後、こうした厳しい現実(「困難」と言い換えた方がよい)を乗り越え、親和に未来を切り拓いていくための、その出発点がこうした現実に関する厳しい認識である。深い認識である。
(2)変革への基本姿勢
今、私たちに求められているのは、「漫然と未来を迎える」のではなく、「主体的に未来を築く」姿勢であり意欲である。確かにこれまで高中も大学も、単に手をこまねいて「漫然と未来を迎えていた」わけではない。いくつかの手立てを講じ、改善・改革にも取り組んできた。しかし、それらは、結果として、十分な成果を挙げているとは言い難い。
今後、「親和の未来を築く」ためには、相当な変革(イノベーション)が必要だと考えている。しかも、一つの大きな変革(イノベーション)ではなく、連続的な変革が求められている。その内容は教育の変革であり、組織(体質も含めて)の変革である。
こうした変革を支える基本的な考え方は、生徒・学生のニーズに応え、その期待を越える教育を提供するというものある。どこまで、生徒・学生を中心に教育の活動全体を構成できるか、そこに変革の要諦がある。こうした哲学を共有できなければ、親和の未来・前途は開かれないと考えている。
さらに改革を展開する姿勢とは、新しい発想を見出し斬新なアイデアを前向きに取り入れていく革新的な(innovative)姿勢であり、積極的にそれを実現すべく事業化していく積極的な(proactive)姿勢であり、不確実性の高い企画・事業に投資・挑戦していくリスク志向的な(risk-taking)姿勢である。受け身の姿勢、受け身の戦略では、この難局を乗り切ることはできない。私たちにとって、「主体的に未来を築く」勇気と戦略をもつことが、この厳しい時代を乗り越え生き残っていく唯一の道である。
2.事業計画策定の基本方針
(1)目標:事業計画の指針
- 定員を確保する。
- 生徒・学生ファーストに徹する。
- 他校・他大学と差別化できる新しい教育的価値を創造する。
- 時代・社会の発展動向の地平において新たな教育事業(教育課程・内容)を策定する。
- 社会のニーズに応える事業・プログラムを策定する。
- 自治体・企業・各種団体との連携事業を推進する。
(2)事業計画の留意点
- 差別化とコスト削減の均衡、とくに数字上の均衡に留意する。
- 4つのアクション(取り除く・減らす・創造する・増やす)に留意する。
- 教職員の協働の必要性と負担に留意する。
- AI&ITの活用に留意する。
- 各設置学校の人・物・資金という資源に留意して事業計画を策定する。
- 事業の完成時期をあらかじめ決定する。
- 事業の実現過程において形成的評価を行う。
3.予算編成の基本方針及び留意点
- 各設置学校は、それぞれの5ヵ年計画を踏まえ、総合的観点から予算編成を行う。
- 予算の前提となる生徒・学生の入学者数を以下のように設定した上で、生徒・学生の総数
を明確にする。
- 中学の入学者数180名 高校の入学者数45名とする。
- 大学学部の入学者数を440名、大学院15名、留学生(学部・大学院)35名、通信教育部
250名(正規生・科目履修生)、附属幼稚園210名とする。
- 厳しい財政を勘案し、大学・高中ともマイナス10%シーリングとする。
- 「選択と集中」戦略で、投資すべき事業に優先的に予算を配分する。
4.事業計画及び予算編成における特記事項
- 各経営戦略会議(学園・大学・高中)において、それぞれの事業計画案と予算編成案を検証した上で、さらなる精選と実質化を図るものとする。
- 親和アリーナ(大学の第2体育館)の建設に伴う大規模な予算執行と借り入れを念頭に予算編成を行うものとする。
|
|
【1.入学者数・志願者数等の計画】
入学者数を次のとおり見込んでいます。
(単位:人)
区分 |
当年度
予算(A) |
前年度
補正予算(B) |
対前年度比
(A)−(B) |
神戸親和女子大学 |
大学院 |
35 |
27 |
8 |
文学部 |
75 |
56 |
19 |
発達教育学部 |
375 |
317 |
58 |
通学部計 |
485 |
400 |
85 |
通信教育部 |
69 |
78 |
△ 9 |
通信教育部(秋期) |
8 |
25 |
△17 |
附属幼稚園 |
60 |
75 |
△15 |
計 |
622 |
578 |
44 |
親和女子高等学校 |
193 |
186 |
7 |
親和中学校 |
180 |
174 |
6 |
高等学校・中学校計 |
373 |
360 |
13 |
総合計 |
995 |
938 |
57 |
・通信教育部は、正科生・課程正科生のみ。
- 神戸親和女子大学大学院(長期履修学生は除く)
入学金200,000円、授業料450,000円、教育充実費(心理臨床学専攻250,000円、教育学専攻150,000円)
- 神戸親和女子大学学部
入学金230,000円、授業料870,000円、施設設備充実費100,000円(ジュニアスポーツ教育学科は180,000円)、教育充実費(総合文化・心理学科・ジュニアスポーツ教育学科200,000円、児童教育210,000円)
- 神戸親和女子大学通信教育部(正科生)(スクーリングは除く)
入学金・編入学金30,000円、教育充実費(設備費)15,000円、授業料140,000円
- 認定こども園 神戸親和女子大学附属幼稚園(予定)
施設型給付に移行 諸経費 入園受入準備金 10,000円、施設充実費 月額1,000円、 教育・保育充実費 月額2,000円
- 親和女子高等学校
入学金300,000円(内部進学者200,000円)、授業料360,000円、施設整備費180,000円、教育充実費60,000円
- 親和中学校
入学金350,000円、授業料396,000円、施設整備費180,000円、教育充実費102,000円
(単位:人)
区分 |
当年度
予算(A) |
前年度
補正予算(B) |
対前年度比
(A)−(B) |
神戸親和女子大学 |
大学院 |
48 |
53 |
△5 |
文学部 |
248 |
211 |
37 |
発達教育学部 |
1,484 |
1,459 |
25 |
通学部計 |
1,780 |
1,723 |
57 |
通信教育部
(正科・課程正科生) |
447 |
481 |
△34 |
通信教育部
(科目等履修生) |
358 |
492 |
△134 |
附属幼稚園 |
210 |
259 |
△49 |
大学計 |
2,795 |
2,955 |
△160 |
親和女子高等学校 |
560 |
536 |
24 |
親和中学校 |
530 |
513 |
17 |
高等学校・中学校計 |
1,090 |
1,049 |
41 |
総合計 |
3,885 |
4,004 |
△119 |
- 入学志願者数
入学志願者数を次のとおり見込んでいます。
区分 |
人数(人) |
神戸親和女子大学 |
大学院 |
30 |
文学部 |
250 |
発達教育学部 |
1,160 |
通学部計 |
1,440 |
通信教育部 |
160 |
附属幼稚園 |
60 |
計 |
1,660 |
親和女子高等学校 |
211 |
親和中学校 |
750 |
・通信教育部は、科目等履修生(一般)含む。
・親和女子高等学校は、2020年度より45名外部募集。
- 入学志願者の入学検定料
入学検定料は、現行額(大学院・学部30,000円、通信教育部10,000円、高等学校(外部のみ)・中学校20,000円)と同額とします。
【2.教職員の要員計画等】
教職員数の計画は、次のとおりです。
- 神戸親和女子大学 (単位:人)
区分 |
当年度
予算 |
前年度
補正予算 |
対前年比 |
教員 |
大学院 |
0 |
0 |
0 |
文学部 |
12 |
13 |
△1 |
発達教育学部 |
61 |
64 |
△3 |
附属幼稚園 |
24 |
23 |
1 |
本務計
内、任期付教員 |
97 |
100 |
△3 |
36 |
38 |
△2 |
兼務
(非常勤講師) |
春学期 |
106 |
119 |
△13 |
秋学期 |
96 |
101 |
△5 |
通信(注1) |
46 |
63 |
△17 |
附属幼稚園 |
2 |
2 |
0 |
職員 |
本務
(内、期間雇用職員[無期転換者含む]) |
66 |
67 |
△1 |
31 |
33 |
△2 |
兼務 |
27 |
24 |
3 |
計 |
93 |
91 |
2 |
(注1) 通学部との兼務含む。
(注2) 本務、兼務の「区分」は学校法人会計基準に準拠して表記しています。
- 親和女子高等学校・親和中学校 (単位:人)
区分 |
当年度
予算 |
前年度
補正予算 |
対前年比 |
教員 |
本務 |
高等学校 |
36 |
36 |
0 |
(内、任期付教諭) |
6 |
6 |
0 |
中学校 |
26 |
26 |
0 |
(内、任期付教諭) |
5 |
5 |
0 |
兼務 |
高等学校 |
14 |
13 |
1 |
中学校 |
11 |
10 |
1 |
計 |
85 |
85 |
2 |
職員 |
本務 |
高等学校 |
10 |
10 |
0 |
(内、期間雇用職員)※ |
3 |
3 |
0 |
中学校 |
7 |
6 |
1 |
(内、期間雇用職員)※ |
6 |
5 |
1 |
兼務 |
高等学校 |
9 |
9 |
0 |
中学校 |
6 |
6 |
0 |
計 |
32 |
31 |
1 |
※無期転換者を含む
- 法人事務局 (単位:人)
区分 |
当年度
予算 |
前年度
補正予算 |
対前年比 |
職員 |
本務
(内、期間雇用職員[無期転換者含む]) |
6 |
6 |
0 |
3 |
3 |
0 |
兼務 |
0 |
0 |
0 |
計 |
6 |
6 |
0 |
【3.人事諸施策】
- 人事方針
適正な人事を行うとともに教職員の資質向上のために、人事方針を以下の通りとする。
- 求める教職員像を明確にする。
- タスク型の人材多様性を念頭に採用する
- 5ヵ年計画に基づく採用人事を行うとともに、組織の構造改革を行い、人事の効率化に努める。
- AI社会を念頭にFD研修及びSD研修を計画的(3年計画)に行う。
- 設置学校間の教職員の交流を促進する。
- 教職員の資質向上のための助成制度を継続する。
- 教育職員に対する重点施策
- 神戸親和女子大学
- 学園の第3次財政改善計画に基づき、教育研究目的に適う教員組織を構築し、運営する。
- 本学が求める教員像に基づき、教員組織の構築を図る。さらに、FD活動を活性化し教員組織を充実させる。
- 適正な教員評価及び授業評価の円滑な導入
- 大学経営会議戦略会議及び改革推進会議のもと、さらなる新規事業の開拓に努める。
- 外部の大学・自治体・関連団体等とのネットワーク構築に努める。
- 親和女子高等学校・親和中学校
- ICT教育・情報教育、アクティブラーニング型授業等、新しい学びのスタイルに順応できる授業力、知識を深めるための研修や勉強会を企画し実施する。
- 2月には他校教員や教育関係者を募り、親和教育フォーラムを開催し、授業改善について意見交換会や講演を行い、授業力の向上を図る。
- 新大学入試や教育課題、授業改善について研修会や勉強会を企画し実行する。
- 適正な教員評価及び授業評価の円滑な導入
- 外部の大学・自治体・教育団体とのネットワーク構築に努める。
- 事務職員に対する重点施策
- 人事計画
- 業務体制の見直しと業務規模の適正化を進め、人事計画に反映させる。新人事計画を学園の第3次財政改善計画に組み込む。
- 事務組織
- 法人事務局と高中事務局について、チーム制を導入するなど、さらに連携を強化し、事務組織の強化及び業務の合理的・効率的な事務運営を目指す。
- 法人、大学及び高中部門の事務の連携強化を図る。
- 設置学校の教育研究活動の充実と運営の円滑化のために、教育職員・事務職員の連携強化を図る。
- 研修
- 働き方改革への対応、事務組織の強化及び財政改善を目的とした、業務の効率化・合理化についての研修制度を計画的に継続して実施する。
- 事務職員各自の能力の向上を図るために、SD活動や研修制度を拡充する。
【4.2020年度の施設・設備関係の主な事業計画】
財政改善計画(案)に基づき、施設設備・備品に係る教育(研究)上の必要性等を総合的に検討し、中長期計画を見直したうえ、年次の計画を策定する。計画の策定に当たっては、優先度・耐久年数およびその有効利用等を検討するものとする。
(1)神戸親和女子大学
- (主な建物構築物改修関係)
- 第二体育館(仮称)新築工事
- 構内消防用水槽新設工事
- 第二体育館(仮称)LAN工事
- 玉結寮Wifi環境整備工事
- 正門前他舗装改修工事
- 体育館屋根他改修工事
- 玉結寮外壁・防水改修工事
- 教育研究用機器備品等の充実については、教育研究の内容と方法の高度化、多様化に対応させ、それぞれに即した計画的な整備充実を図る。
(主な設備関係)
- 第二体育館(仮称)設置備品一式
- 教室AVシステム新規更新一式
(1号館4階,4号館1階,531,421)
- 教務印刷機更新
(2)親和女子高等学校・親和中学校
- 施設関係
- 中庭ゴムチップ改修
- 管理棟保健室東系統空調機更新
- 管理棟4階生徒用トイレ改修
- 設備関係
- コンピューター教室PC更新
- サーバー・ファイアウォール等機器更新
- 教員PC更新(リース対応)
|
|
【神戸親和女子大学の事業計画】
1.現状分析・認識
我が国における少子化の進行は、18歳人口の大幅な減少をもたらし、今やピーク時に比べ、18歳人口は半減している状況である。今後もその傾向は加速度的に進んでいく。18歳人口を主たる入学者としている大学にとっては、まさに冬の時代が到来し、今後氷河期ともいえる時代へと向かいつつある。このように私立大学を巡る環境は一層厳しくなるとともに、社会からの大学への期待は高まる半面、教育改革の実行や大学評価など大学の教育研究、運営に対する説明責任も強く求められているところである。一方で、科学技術の進歩は目覚ましく、特に情報技術の発展は目を見張るものがある。AIの出現は今後の人間社会を根本から変える可能性があるといわれている。さらに、情報技術、情報ネットワークの世界的な広がりにより、国境を越えて情報のやり取りが簡単にできる時代になり、世界のボーダーレス化が進み、真にグローバル社会へと移行しつつある。このように世界の社会環境、情報環境が変化する中で、本来、社会の有り様を教育研究する大学には、こうした環境に的確に対応して、教育研究を変化させることが求められている。大学は明確な将来ビジョンをもち、変化に応じて着実な計画を立て、変化していかねば生き残ることはできないという認識に立ち、不断に教育研究の改革を進める必要がある。このため、神戸親和女子大学は、将来を展望し、中期目標・中期計画としての「第3次神戸親和女子大学10年構想5ヵ年計画」を策定し、この目標・計画を実現することによって、将来へ向けての歩みを確実なものとしたい。
本計画の策定においては、第2次10年構想5ヵ年計画における課題「計画の実行・成果において、検証が不十分であったこと」を省み、年度末及びアクションプランの最終年度において計画の実行・成果の検証を必須とする。特に、本学の今後の発展の基盤となるであろう以降5年間の重点項目においては、教学面、経営面から長期的な展望に立った施策が必要である。そこで、第3次10年構想5ヵ年計画においては、A 学生の成長を支える教育システム、カリキュラムの充実(特に新学科構想も含めた改組転換、キャリア支援)、B 大学が地域や大学関係者の学びの拠点となるような体制の構築、C 学生におけるグローバルマインドの育成(海外研修協定校との連携やインターンシップの拡充などの国際化推進)、D 安定した学生確保(定員の1.1倍)のための入試制度の充実と広報活動(出口イメージの明確化)、E 大学運営の改善・改革(PDCA実施体制の充実)の5点を特に重点項目とし、より詳細な中長期計画を立て臨むものとする。
2.将来ビジョン
神戸親和女子大学が「目標とする将来の大学像」は、1.学生が成長する大学(学生一人ひとりの個性と多様性が尊重され、学生が最大限に成長する大学)、2.学びの共同体の拠点大学(学生・教職員・保護者・卒業生・地域からなる学びの共同体の拠点となる大学)、3.グローバルマインドを育成する大学(異文化を理解し、他者と協働して国内外の社会的な課題解決に粘り強く取り組む国際人を育成する大学)の実現である。
3.建学の理念・精神
建学の理念「建学の精神に則り、学問を通じての人間形成を目指し、国際的知識と視野と感覚を涵養して、世界に役立つ実践力を高め、人権への洞察を極め、未来を担う豊かな知性ある女性を育てんとする。」ことが神戸親和女子大学の建学の精神であり、SHINWA VISION 2030により建学の 精神を具現化することを目指す。
4.教育理念・目的
本学は、教育基本法(昭和22年法律第25号)及び学校教育法(昭和22年法律第26号)に則り、建学の精神に基づき、社会の発展方向を広く視野におき、学芸に関する多様な教育研究を通して豊かな教養を培い、専攻に係る学識を深めることによって、総合的判断力をもち主体的に社会に対応できる人間を育成することを目的とする。(学則第1条)
5.教育研究目標
(1)目指す人材像
文学部においては、豊かな教養と専門知識をもち、日本の言語文化の継承と発展を担い、国際的な視野を備えた人材、さらに地球規模の共生社会に主体的に参加する人材を育成する。
発達教育学部においては、豊かな教養と専門的知識をもち、他の人々と協力して人間の発達と教育にかかる課題に取り組み、その解決に持続して努力できる人材、さらにそのような協働の活動においてイニシアティブのとれる人材を育成することを教育目標としている。(学則第2条)
SHINWA VISION 2030では、本学の教育により学生に備える3つの力として「課題解決力」、 「コミュニケーション力」、「自分の限界を超えていく力」を掲げている。
(2)教育研究目標
教育研究上の戦略目標を次のとおり定める。
戦略目標I:大学の強みを活かし学生の最大限の成長を支援
(1)小規模大学ならではの個別性、多様性を尊重したきめ細かな教育
(2)親和学園全体としての交流・教育・研究の推進
戦略目標U:地域の教育・研究・実践拠点
(1)「スポーツセンター」を拠点とした地域貢献及び大学スポーツの振興
(2)自治体、企業、NPOとの連携・協働により、地域社会の課題解決に役立つ教育・研究の推進
(3)リカレント教育の展開により、多様な人々が集う学びの共同体の構築
戦略目標V:社会のグローバル化に対応する教育・研究
(1)世界基準の教員養成
・世界最先端の大学教育学部・附属学校園と研究・教育に関するネットワークの構築
・情報通信技術、人工知能などを活用した教育・保育方法の開発
(2)グローバル化に対応できる国際人の育成
・幅広い文化理解と語学力により、日本や世界を舞台に活躍できる国際人の育成
上記の(長期)目標の実現のため、中期5ヵ年計画ヵ年の計画を立案し、自己点検・自己評価を継続して行う。以下に5ヵ年計画における重点項目を挙げる。
A 学生の成長を支える教育システム、カリキュラムの充実
B 大学が地域や大学関係者の学びの拠点となるような体制の構築
C 学生におけるグローバルマインドの育成
D 安定した学生確保のための入試制度の充実と広報活動
E 大学運営の改善・改革
上記重点項目を含め、【中期目標・中期5ヵ年計画】を以下のとおり定める。なお、中期計画の実行にあたってはアクションプランを作成し、具体的な数値目標をたて実行する。
以下の目標・計画中、A,B,C,D,Eは関連の重点項目。
1 理念・目的に関する目標・計画
- 理念・目的を検証し、大学の施策に反映させる。
〇大学の設置理念を実現する方策を検討し大学の将来構想等に反映
- 理念・目的を達成するための事業を計画,実施する。
〇SHINWA VISIONの実現に向けて具体的な実行計画を策定する。
- 理念・目的を周知・公表し、関係者で共有する。
〇大学の設置理念、校訓について、学長講話や教職員研修などを通じて、繰り返し説明し、学生、教職員の理解を深める
2 教育課程に関する目標・計画
- ディプロマポリシーを検証し、必要に応じ改定する。
〇学則、ディプロマポリシーに則り学生の育成ができたかどうかアセスメントポリシーにより検証(A)
- カリキュラムポリシーを検証し、必要に応じ改定する。
〇ディプロマポリシーとの関連でカリキュラムポリシーを検証(A)
〇社会の動向に応じてカリキュラムを常に見直す
- 時代の変化に対応して教育課程の改革・改善を図る。
〇共通教育改革の実行(A)検討を2020年度より開始、2021年度より改編
- 最新技術を活用して教育方法の改革・改善を図る。
〇ICTを活用した教育方法の開発・実践(A)
- 大学院教育の充実
〇公認心理師、臨床心理士合格者数の増加のための施策を実施。
合格率100%を目指す。
〇カリキュラムの検討、整備
- 学生の適正な成績評価を可能とするシステムを構築する。
〇ポートフォリオの構築、学修成果の可視化(A)
〇ルーブリックにおる評価の導入
3 教育研究組織の改編・拡充に関する目標・計画
- 時代の変化に対応して学部・学科の改組・転換を図る。
〇学部・学科の改組・転換、学科定員の再検討、大学院教育の充実などの計画の検討(A)
- 地域における学び・研究のプラットフォームとして機能する。
〇大学が地域や大学関係者の学びや研究の拠点となるよう体制の整備(B)
- 大学のグローバル化を目指した組織の充実を図る。
〇学生の海外留学・研修の充実。留学生支援。海外協定校*との連携拡充(C)
*2020年〜イタリアレッジョチルドレンとの連携協定、2021年〜コロンビア大学付属校との連携協定。
〇学生の留学・海外研修を支援する基金を創設
〇海外留学、研修、海外インターンシップの充実
- 教育研究支援のための施策の充実を図る。
〇教育研究支援(研究費、在外研究)の充実(C)
4 教員・教育組織に関する目標・計画(教員人材確保、FD)
- 教員組織の編成方針を見直し、策定する。
〇教員編成方針を見直し、改善し、長期計画及び改組転換計画に基づいた採用と教育課程の改革に対応した教員組織の検証と見直し(A)
〇女性教員の割合を50%に近づくように努める。実務家教員の割合は30%を目途。教員の年齢構成の是正、50歳以下の教員の割合を増加させるよう努める。
- 教員の教育力の向上システムの充実を図る。
〇FD等による教育方法の改善により教員組織を活性化
- 教員業績評価の充実を図る。
○教員業績評価の処遇への反映
5 学生の支援に関する目標・計画
- キャリア支援体制を充実する。
〇キャリア支援体制の検証と改善(A)
〇新たな就職支援イベントの実施(公務員対策プログラムなど)
〇企業との連携の強化(地域企業へのバスツアーなど)
〇留学生の就職支援の拡充
- 学生生活支援体制を充実する。
〇学生生活支援体制の検証と改善(A)
〇新たな給付型奨学金を導入
〇障がいのある学生の支援策の充実
- 学生の健康管理体制を充実する。
〇学生の健康管理体制の検証と改善(A)
- 課外活動支援体制を充実する。
〇課外活動支援体制の検証と改善(A)
〇強化スポーツクラブの拡充
6 学生の受入れ(入試)の実施に関する目標・計画
- 入試制度の改革・改善、情報提供の充実を図る。
〇入学者選抜方法の見直し・改善など入試制度の改革・改善・簡素化及び、受験生への情報提供の充実(D)
〇入学定員1.1倍の学生の確保
〇留学生の受け入れを拡充、2024年には在籍者数170人を目標(国内の日本語学校からの積極的な受け入れ)
〇受験生に判りやすいアドミッションポリシーへの見直し
〇入試データの整備と有効活用
- 多様な広報活動を展開し、募集活動の強化を図る。
〇計画的、戦略的な広報活動の展開(D)
〇明確な出口イメージを広報に活かす。他学との差別化。
〇SNSを活用した広報の展開
〇協定校、スポーツ協定校への学生募集活動の強化・拡充
〇高校訪問の成果の検証と改善
7 教育研究環境の整備に関する目標・計画
- 学生の成長を促す教育研究環境等の整備・拡充を図る。
〇学生の成長を最大限支援するよう教育研究環境等を整備・拡充(AB)
〇ラーニングコモンズの利用拡大
〇女子大にふさわしい学習環境の整備
- 地域貢献、大学スポーツの振興を図る。
〇スポーツセンターを拠点とした大学スポーツの振興、地域貢献 、地域連携センターによる地域貢献事業の展開(B)
- 世界基準の教員養成拠点として基盤強化を図る。
〇世界最先端の大学教育学部・附属校園と教育・研究に関するネットワークの構築(C)
- グローバル化に対応できる国際人育成のための教育環境を創出する。
〇国際人育成のための教育環境を整備(C)。語学教育強化。
- 大学において研究倫理遵守の取組を進める。
〇規程に則り研究倫理遵守の取組を遂行
8 社会連携・社会貢献に関する目標・計画
- 自治体、企業、NPOとの連携・協働を推進する。
〇自治体、企業、NPO、学校との連携・協働を推進する学内体制の強化(B)
〇神戸市北区、神戸電鉄、親和スポーツネットとの地域貢献事業の協力実施(子育て支援)
〇アイナック、ヴィクトリーナとの連携事業の展開
- 地域住民の生涯学習機関としての機能を拡充する。
〇公開講座やリカレント教育(日本語教室など)の展開により、地域住民の生涯学習機関としての機能の拡充(B)
- 高等教育機関としての機能強化を図るため、大学間連携を推進する。
〇海外の大学も含め大学間連携の推進・強化(C)
9 大学の運営に関する目標・計画(E)
- 機動的な大学運営ができるようPDCA実施体制により大学運営の改善改革を図る。
〇運営組織を検証し、ガバナンス体制を強化・改善(E)
〇委員会の整理・合理化
- 適正な教職員数の確保を図る。
〇適正な教職員数と人件費支出計画の策定
- 計画的かつ機動的な広報を行う。
〇広報に関する方針を策定し、機動的な広報の展開
- 教職員の資質向上を図るため研修を充実する。
〇教職員研修の計画的実施
- 大学の運営を支える事務組織を整備する。
〇事務組織の検証と改善
- 人権および個人情報保護の対策を強化する。
〇教職員の人権および個人情報保護に関する体制の検証と改善
10 大学の財務に関する目標・計画(E)
- 安定的な財務運営を図る。
〇的確な見通しに基づく財政計画の策定
〇財務関係比率の改善(人件費比率の減少、教育研究費比率の増加等)
〇大学の運営に必要な財政基盤の確立
〇寄附金募集活動の強化
〇研究資金等の外部資金を獲得
11 内部質保証の体制に関する目標・計画
- 社会への説明責任としての内部質保証のための体制を整備する。
〇内部質保証のための体制整備(E)
〇IRデータの有効活用
12 同窓会との連携に関する目標・計画
- 同窓会との連携強化を図る。
〇同窓生相互のネットワーク強化
〇同窓会との定期的な連絡会の開催
〇同窓生の生涯学習の機会強化(B)
〇同窓生の在学生へのキャリア支援(B)
(単位:百万円)
事業区分 |
大学部門
予算 |
事業費予算の内訳 |
教育研究
経費支出 |
管理経費
支出 |
施設設備
関係支出 |
教育研究関係 |
129 |
126 |
0 |
3 |
学生募集関係 |
84 |
1 |
83 |
0 |
国際交流関係 |
16 |
16 |
0 |
0 |
地域交流関係 |
10 |
10 |
0 |
0 |
図書館関係 |
50 |
37 |
0 |
13 |
情報処理教育関係 |
44 |
27 |
0 |
17 |
学生福利厚生関係 |
170 |
165 |
4 |
1 |
スクールバス・寮関係 |
86 |
0 |
86 |
0 |
施設設備維持管理関係 |
761 |
133 |
9 |
619 |
その他の事業 |
87 |
40 |
26 |
21 |
管理運営関係 |
124 |
79 |
39 |
6 |
小計 |
1,561 |
634 |
247 |
680 |
通信教育部関係 |
74 |
58 |
15 |
1 |
附属幼稚園関係 |
33 |
26 |
3 |
4 |
小計 |
107 |
84 |
18 |
5 |
合計 |
1,668 |
718 |
265 |
685 |
|
|
【親和女子高等学校・親和中学校の事業計画】
1.現状分析・認識
2020年、教育は大きく変わります。新学習指導要領が導入されるとともに、大学入試が変わり、英語教育も変わります。学校教育は、「知識の習得」を中心とした従来の学習から、「知識の活用」を目指すスタイルへと大転換を迫られます。言うまでもなくこの背景には「AIの発展」や「グローバル化」という急激な社会の変化があります。同時に、科学技術の発展によって世界は目まぐるしい変化を続けています。2030年頃には第4次産業革命とも言われるIoTやビッグデータ、AI等をはじめとする技術革新が一層進展し、社会や生活を大きく変えていく超スマート社会(Society5.0)の到来が予想されています。「10年〜20年後には日本の労働人口の約49%が人工知能やロボット等で代替可能に」なると言われている一方で、これまでなかった仕事が新たに生まれることが考えられます。また、あらゆる場所でグローバル化は加速し、情報通信や交通分野での技術革新により、人間の生活圏も拡がっています。また、世界の国々の相互影響と依存の度合いは急速に高まっており、地球規模の人類共通の課題も増大しており、それらの課題解決に積極的に取り組むことも求められています。
このような社会を生きていく、あるいは創造していく子ども達には、社会の変化に柔軟に対応し、主体的に判断し行動する力や、答えのない課題に対して納得解や最適解を見出す力など、変化の激しい時代、先行きの読めない時代を生き抜くために必要な力・人間力が求められています。
そのような中、児童の数は年々減少し、依然として厳しい状況が続いています。さらに地域によっては公立志向、また共学志向は依然として根強く、私立女子校にとっては厳しい外部環境が続いています。
一方で関西圏の中学入試の動向は、近年私学志向が強まってきており、2019年度入試においても入試初日午前の受験生は1万7千人を超え、10年ぶりに前年度より増加し、3年ぶりに1万7千人を超えました。また卒業予定の小学生の中学受験率は9.51%で昨年の9.45%より上昇、この受験率は2014年の8.91%から5年連続で上昇しています。
特に近年女子の受験者が増加しています。大学入試改革やその先の社会で必要とされる力を身につける環境として私学志向が高まっていますが、女子児童の保護者にその傾向が強いとも言われています。また、共学志向の中、近年やや減少傾向にあった女子校が増加の気配を見せており、女子校人気復活の兆しとしたいところです。
また大学附属校の人気が加速しています。大学入試改革への不安や、大学定員の厳格化による人気大学の難化などにより、早い時期から大学までつながる環境を考えている保護者が増えているようです。
このよう中、本校では、国際交流の拡充や、ICTを活用した教育の充実、探究学習や新大学入試への対応など新時代をたくましく生き抜く力の育成を図っています。
そして、私学として児童・生徒・保護者にとって魅力ある教育を提供するため、今後中長期計画を構想しその認識のもと、2020年度の事業計画を策定します。
2.将来ビジョン
本校では建学以来、常に社会の変化に柔軟に対応し、教育改革を行い、その時代において、自立し、社会で活躍できる女性を育成することを目指して教育を行ってきました。社会の変化や環境は急激に変貌し、特に現代社会ではAIやIoTなど様々な技術の発達により、なお一層、目まぐるしく変化し続けています。社会が変化すると、求められる人材や必要な知識・能力も変化します。その変化に対応できる力を持った人材を育成するには、時代の変化に応じ、教育の内容を変えていく教育改革が必要となります。
今、社会はかつてない激しい変化の時代に突入しています。中学1年生が卒業する6年後の社会すら想像ができない時代なのです。子どもたち一人ひとりが、予測できない変化に受け身で対処するのではなく、主体的に向き合って関わり合い、その過程を通して、自らの可能性を追求し、よりよい社会と幸福な人生の創り手となる力を身に付けられるようにすることが一層重要となっています。このような時代をたくましく生き抜く生徒を育成するために、本校も不断の改革を進めていく必要があります。
今、共学志向の中、132年の歴史と伝統を有する本校が今後も女子校の本流を存続し、女子校をリードしていくためには、新しい女子校の魅力、イメージを打ち出すとともに、教育制度が変化していく中、新たなコースの開設や共学化や中等教育学校化なども視野にいれながら、学校のあり方そのものについて、あらゆる可能性について検討する必要があります。
併せて、既存の生徒募集市場への広報活動の拡充や、新たな市場開拓のための広報戦略も必要です。
親和女子高等学校・親和中学校は建学の理念を堅持し、さらに発展するために将来ビジョン(目指す学校像)を以下のように設定します。
- 親和の良き伝統を継承しながら、時代の変化に対応した新しい教育的価値を不断に創造し
続ける学校を目指す。
- 中高一貫教育の特色を生かし、質の高い教育を展開する学校を目指す。
- 生徒の学びの居場所が保障され、保護者が安心して預けられる学校として社会的評価の高
い学校を目指す。
- 社会の変化に柔軟に対応し、ICT教育やグローバル教育を推進する。
- 変化の激しい社会をたくましく生き抜く力の育成を図る。
- 女子校としての新しい魅力を構築する。
- 中等教育学校への移行や新コース設置等、学校改革について検討を行う。
3.建学の理念・精神
明治20年、1887年、校祖友國晴子は女子に教育は必要ないという時代にあって、女子の教育の必要性を説き、親和女学校を再興しました。爾来、本校はこのときの建学の理念・精神を忘れることなく132年の歴史を歩んできました。
その理念・精神はこれからも変わることなく継承していかねばなりません。
- 「誠実・堅忍不抜・忠恕温和」を校訓として、豊かな人間性を育む。
- 広い視野と知識を持ち、国際社会において主体的に活躍できる女性を育成する。
- 他者を理解し、他者と協働して、国際社会の課題解決に取り組む女性を育成する。
4.教育方針
現代の社会は知識・技能基盤社会であり、新しい知識・情報・技術が社会のあらゆる領域での活動の基盤として重要です。この知識・情報・技術をめぐる変化は、加速度を増し、さらにグローバル化の進展等によってひとつの出来事が広範囲かつ複雑に伝搬し、社会の変化を正確に予測することはますます困難になっています。
このような状況下において、社会が求める知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性の涵養といった資質・能力を身につけることはもちろんのこと、人生100年時代をより豊かに生きるため、生涯にわたって自ら学習し、自己の能力を高め、働くことや地域や社会の課題解決のための活動につなげていくことが必要です。
また、変化の激しい時代を生き抜いていくためには、生涯にわたって質の高い学びを重ね、それぞれの立場や分野で成長し、新たな価値を生み出し、輝き続ける力を身につけることも求められます。その際、溢れる情報の中から必要な情報を読み取り、進歩し続ける技術を使いこなすことができるよう基本的な情報活用能力を身につける事も重要です。
- 夢と志を持ち、可能性に挑戦するために必要となる力(確かな学力・豊かな心・健やかな
体等)を育成する。
- 基礎的・基本的な知識・技能と思考力・判断力・表現力等、主体的に学習に取り組む態度を
育成する。
- 確かな学力を身につけさせ、数理的理解力及び情報運用能力を育成する。
- 主体的に変化に対応しつつ、学んだ知識・技能を実践・応用する力、更には自ら問題の発見・
解決に取り組む力を育成する。
- 他者を尊敬し、他者と協力して、物事を達成する態度と能力を育成する。
- 伝統と文化を尊重し,国際社会の平和と発展に寄与する態度や、主体性・積極性、異文化理解の精神等を身につけてグローバルに活躍できる人材を育成する。
5.教育目標
上記の教育方針を実現するために、以下のように教育目標を設定する。
「学力」と「国際力」、「人間力」を兼ね備え、新しい時代を切り拓く個性豊かな生徒を育成する。
- 人間力の育成
人としての心を育み、個性豊かで探究力に富み、将来を切り拓く生徒を育成する。
- 学力の育成
基礎的な学力に加え、思考力・判断力・表現力や探究力を持つ生徒を育成する。
- 国際力の育成
変化する世界の動向を見据えたグローバルな視点と能力を持った生徒を育成する。
- 情報力の育成
先導的なICTリテラシーを培うとともに、世界に情報を発信できる生徒を育成する。
6.教育内容
- 新学習指導要領に基づく教育課程の編成・シラバスの作成を検討する。
- 新時代を生き抜く力を育む教育を推進するため、思考力・判断力・表現力、主体性・多様性・
協働性の育成をめざし、「探究学習」の充実、「アクティブラーニング」を推進し、ICT機
器やアプリケーションを活用した授業の推進を図る。また、生徒の多様な力を育成するため
の教育システムを構築する。
- 進路実現のためのプロセス(コース制)を見える化し、各コースの特色ある教育プログラム
の検証により、コース新設の検討ならびに再構築、プログラムの再構築を行う。なお、2020
年開設の国際コースについて、より特色化をめざしコース内容の充実を図る。
7.教員組織
- 適正な人件費への改善に努めるとともに、新コース等を踏まえた今後の教員採用計画の策定
する。
- 少子化による難しい局面での学校経営を乗り切るため、校長のガバナンス機能の強化を図る
ことを目的に、副校長、教頭の役割を明確にし、新たに特命業務の職責を担う校長補佐を配
置する。
- 教員個々の資質及び指導力の向上のために職員研修を実施する。また、授業力向上のため、
授業評価アンケートを活用し授業改善に努めるとともに、研修の一環としての他校との人事
交流研修制度を策定する。
- 教員の人事考課(目標管理評価・行動評価)制度を整備する。
8.生徒の受け入れ(入試・広報)
- 入学者の安定的確保(中学180名、高校45名)するため、中学校・塾との関係強化、中学
校訪問及び塾訪問を強化する。
- 生徒の多様な能力を評価するにあたり、求める生徒像(アドミッションポリシー)を明確化
し、小学校新学習指導要領に基づき、選抜方法の多様化と新たな評価尺度を検討する。
- 多様な能力を持つ生徒の確保するため、多様性選抜入試を拡充し、海外帰国子女入試の周知、
定着、日本人学校含む指定校推薦提携校、連携協定校(首都圏等)の拡充に努める。
- 高校募集の認知の向上に努めるとともに、安定した入学者を確保するためのコースや類型等、
多角的な視点から構想を進める。
- 本校に興味・関心をもってもらえるようなイベントの実施を通じ、本校と関わる児童・生徒、
保護者を増やす工夫をする。特に、地元からの来校者の増加につなげるイベント等企画する。
- 本校の取り組みや情報をホームページやSNSを通じ、幅広くタイムリーに発信する。
- 研修会や勉強会を通じ、少子化、女子教育離れ(学校存立の危機)の現状等、本校をとりま
く厳しい現状を教職員が正しく認識し、危機意識を共有し、学校経営・生徒募集に携わる意識の醸造を図る。
9.学習支援
- 生徒の学力等を把握し、面談等を通じて必要な学習・生活指導を行う。
- 電子黒板など、ICTを活用した教育の更なる推進と、個々の学力に適した指導方法を研究
する。
- ラーニングコモンズルームや自習室等の積極的な活用を促すとともに、外部講習や教員、
先輩チューターによる個別指導を推進する。
- スマホの利用が一般化する中、利用に関するモラル・マナー教育、正しく安全な利用指導を
徹底する。
- 海外留学プログラム参加助成、入学時の学習奨励奨学金等、経済的な側面から学習支援を行う。
10.進路指導
- 難関国公立大(東京阪神等) 現役10名・現浪20名、医学部医学科現浪5名、難関有名私
大(関関同立等)には、現役延べ100名の合格を目標とする。
- 進路目標を達成するため、親和ゼミ及び英検対策講座を開講する(平日放課後実施)。
- 進路目標を確固としたものにするために、難関大学見学ツアー、東京キャピタルツアー、
サイエンスツアーを企画する。
- 今後の新大学入試への対応するため、 記述式問題への対応、英語4技能の向上、思考力・判
断力・表現力とともに主体性・多様性・協働性の育成、高校時代の活動履歴の充実(ポート
フォリオ)を意識的に取り組む。
- 神戸親和女子大学、関関同立大等との高大連携プログラムを検討する。
11.国際教育
- 国際コース開設に伴い、新しい留学スタイル(生徒の希望する国・期間を選択し留学先を決
定 )を実行する。なお、実行にあたっては、安全面・効果の両面からのスムーズな導入を目
指す。
- 海外研修の効果検証と、他の効果的なプログラムの開発研究を行う。
12.学校運営
- よりよい学校づくりのため学校評価制度を確立し実行する。
- 学校安全計画を策定し実行する。
- 第3次10年構想5ヵ年計画に基づくアクションプランを実行する。
- 財政健全化の観点から、支出抑制に努める。
- 適正な労働管理(時間外勤務・休日勤務の抑制、有給休暇の取得促進)を行う。
- 部活動の計画的かつ適正な実施を管理する。
- 学校環境の改善に努める。
- 部活動支援等、大学との連携を推進する。
- 育友会、汲温会との連携協力を強化する。
1. 新規及び重点計画
- 中高経営会議の下に設置している改革推進会議を中心とし、改善が必要な短期的課題、本校の将来像について具体的方策を探り、実行に移す。
- 新たに設置する国際コースプログラムの確かな実施と本校国際交流活動の一層の充実を図る。
- 始業時刻を変更し、生徒の生活リズムを整え、学校生活環境のさらなる充実を目指す。
- スクールバス路線を拡大し、新たな地域からの受験生確保を目指すとともに、ラッピングされたバスを走らせることで、本校の存在周知を図る。
- 中学入試・高校入試において、昨年度からスタートした、多様性選抜を更に推進し、「スポーツ・芸術・文化枠」選抜を実施する。また、前年度同様に、帰国子女入試の充実を図り、海外現地での入試を引き続き実施する。
- 高校全学年にタブレット端末を導入、電子黒板と併用したICT教育の充実をさらに進め、多彩な授業展開を図るとともに、学習支援アプリケーションを活用し、家庭学習支援など多様な学習支援を行う。併せて大学入試改革に向け、生徒のポートフォリオデータ蓄積を図る。
- 高校1年・2年対象にオンライン英会話の授業を実施、英語4技能の向上を図る。
- ラーニングコモンズルーム・自習室の活発な活用を図り、学生チューターの活用など、生徒の
主体的な学習活動を支援する。
- 外部の大学受験専門講師による特別講座(親和ゼミ)を開講し、有効な活用を目指して、生徒の学力向上を支援する。
- 新時代をたくましく生き抜く力を育成するために、全コースにおいて「探究」授業を実
施し、主体性・多様性・協働性の向上を図る。高校では、課題研究の公開発表を行う。
- アクティブラーニング等研究委員会を一層充実させ、教員の授業公開や研修会を実施し、新大学入試や新学習指導要領への対応を図るとともに、生徒による授業評価の改善により教員の授
業力向上を目指す。
- 地域貢献活動として、灘区と連携し、地域住民のための公開講座や児童・保護者を対象にスポーツを通じたクリニックなどを積極的に企画・実施する。
2. 教務関係
- Sコース独自のプログラムの検証と改善(勉強合宿・ホームステイ研修等)
- 全コースでの探究授業の実施、探究発表会の実施
- 国際コースのカリキュラムの始動
- 新学習指導要領実施と、進学実績向上のための新カリキュラムの研究・構築
- ECC外語学院(業務提携)による英会話授業の実施
- タブレットを活用したオンライン英会話授業の導入と推進
- アクティブラーニング型授業の推進と授業アンケート、公開授業・研修会による授業改善の推進
3. 国際理解・国際教育関係
- ニュージーランドホームステイ研修
- オックスフォード大学英語文化研修
- 異文化探究研修
- メルボルン短期交換ホームステイ研修
- 中国東北師範大学附属中学との交流
- 中長期留学制度
4. 研修旅行関係
- 高2研修旅行 (シンガポール・マレーシア)
- 中3宿泊旅行 (沖縄)
- 高1スキー訓練(長野)
5. ボランティア関係
- ワークキャンプ(福祉体験学習)
- 市民救命士講習会(中3全員対象)
- 募金活動(あしなが募金、海外たすけあい募金、赤い羽根共同募金(灘区との協定))
- 献血協力キャンペーン(文化祭・HR等)
- 青少年赤十字活動(JRC)例会・トレーニングセンター
- 保育体験(中2全員対象、高1・高2希望者)
- 看護介護体験(高1・高2希望者)
- 児童館で子どもの遊び相手ボランティア(灘区との協定)
6. 公開学校行事 文化祭(5月3日)、体育祭、音楽会
7. 進路指導関係
- 進路説明会の実施、個々の大学説明会
- 京大、阪大、神戸大各キャンパスツアーの実施
- 高1・高2対象「夢ナビLIVE」の参加
- キャリア教育:社会人講演会の実施
- e-ポートフォリオ
- 親和ゼミ(受験対策の講習)
- 英語検定対策 外部講習(英検2級・準2級講座)
8. 保健・衛生関係・カウンセリング
- 生徒健康診断(4月〜5月)
- 性教育講座(講演会、セミナー)中1、中2、中3対象
- カウンセリングルーム
9. 生徒募集
(1)中学募集
- 中学入試説明会・個別相談会、オープンスクール
- プレテスト
- 塾訪問
(2)高校募集
- 中学校、塾等への広報活動及び保護者向け説明会
- 学校説明会・個別相談会、オープンスクール
- 塾及び中学校訪問
(3)連携
- 須磨浦小学校・中華同文学校との指定校連携強化
- 上海日本人学校・バンコク日本人学校等日本人学校との指定校連携強化
- その他連携校・日本人学校の開拓
- 地域連携の推進
10. 保護者対象事業
- 思春期セミナー
- スマホ使用に関する講習会
- 市民救命士講習会
11. 汲温会(同窓会)、育友会との連携
- 汲温会主催の茶道・華道教室(隔週水曜日、汲温会館茶室)
- 文化祭への参加及び協力(育友会バザー・汲温会バザー等)
- 汲温会員の指導による中学生及び国際コース生徒への茶道教室
- 海外からの訪問者への茶道教室
12. その他
- 教育振興基金(募金活動)の継続
- 防火・防災訓練の実施
- 職員研修(入試動向、人権・いじめ対策、授業力向上等)の実施
(単位:百万円)
事業区分 |
高・中部門
予算 |
事業費予算の内訳 |
教育研究
経費支出 |
管理経費
支出 |
施設設備
関係支出 |
教育研究関係 |
154 |
154 |
0 |
0 |
生徒募集関係 |
15 |
0 |
15 |
0 |
国際交流関係 |
5 |
5 |
0 |
0 |
地域交流関係 |
0 |
0 |
0 |
0 |
図書館関係 |
2 |
1 |
0 |
1 |
情報処理教育関係 |
4 |
4 |
0 |
0 |
施設設備維持管理関係 |
61 |
16 |
1 |
44 |
スクールバス関係 |
31 |
0 |
31 |
0 |
管理運営関係 |
19 |
0 |
19 |
0 |
合計 |
291 |
180 |
66 |
45 |
|
|
【法人の事業計画】
各設置学校の教育研究活動の活性化と充実を図るために、その前提となる財務基盤の確立と人材の育成及び教育環境の整備を法人部門の基本方針とする。
- 第3次10年構想5ヵ年計画の実施
- 第3次財政改善計画の実施
- 親和学園教育振興基金の戦略的、組織的募集
- 私学法改正に基づく理事・監事の役割・機能の強化
- 高中教員の評価制度の構築及び研修の実施
- 理事会、常任理事会、学園経営会議、学園広報委員会における経営戦略及び広報戦略の策定
- 各設置学校における教育職員、事務職員の研修の推進と助成
- 世界の学校及び大学との連携協定を結び、交流を発展・進化させる。
- 自治体・企業・団体・国内外の大学・学校との連携協定の推進
- 親和教育研究所の発展的運営
(単位:百万円)
事業区分 |
法人事務局
予算 |
事業費予算の内訳 |
教育研究
経費支出 |
管理経費
支出 |
施設設備
関係支出 |
管理運営関係 |
38 |
0 |
38 |
0 |
合計 |
38 |
0 |
38 |
0 |
【事業費予算の部門別内訳】
(単位:百万円)
事業区分 |
法人計 |
部門別内訳 |
大学 |
高校・中学 |
法人 |
教育研究関係 |
283 |
129 |
154 |
0 |
学生生徒募集関係 |
99 |
84 |
15 |
0 |
国際交流関係 |
21 |
16 |
5 |
0 |
地域交流関係 |
10 |
10 |
0 |
0 |
図書館関係 |
52 |
50 |
2 |
0 |
情報処理教育関係 |
48 |
44 |
4 |
0 |
学生生徒福利厚生関係 |
170 |
170 |
0 |
0 |
スクールバス・寮関係 |
117 |
86 |
31 |
0 |
施設設備維持管理関係 |
822 |
761 |
61 |
0 |
その他の事業 |
87 |
87 |
0 |
0 |
管理運営関係 |
181 |
124 |
19 |
38 |
小計 |
1,890 |
1,561 |
291 |
38 |
通信教育部関係 |
74 |
74 |
0 |
0 |
大学附属幼稚園関係 |
33 |
33 |
0 |
0 |
小計 |
107 |
107 |
0 |
0 |
合計 |
1,997 |
1,668 |
291 |
38 |
|
|
【1 2020年度予算の概要】
【2 主要財務比率の推移】
(単位:%)
|
部門 |
2016年度
決算 |
2017年度
決算 |
2018年度
決算 |
2019年度
補正予算 |
本年度
予算 |
事業活動収支
差額比率 |
大学
(注1) |
△ 3.5 |
0.3 |
△ 3.3 |
△ 9.5 |
△ 3.5 |
高中 |
△ 5.2 |
△ 3.0 |
△ 5.4 |
△ 3.5 |
△ 2.9 |
全体 |
4.8 |
△ 0.6 |
△ 3.3 |
△ 7.8 |
△ 3.3 |
経常収支
差額比率(注2) |
大学 |
△ 1.3 |
2.9 |
△ 0.5 |
△ 6.6 |
△ 0.7 |
高中 |
△ 2.4 |
△ 0.1 |
△ 1.3 |
0.4 |
0.8 |
全体 |
△ 3.9 |
△ 0.8 |
△ 3.3 |
△ 7.8 |
△ 3.3 |
人件費比率 |
大学 |
54.8 |
56.0 |
57.1 |
57.8 |
53.0 |
高中 |
73.8 |
71.9 |
71.6 |
69.9 |
70.0 |
全体 |
62.4 |
62.0 |
63.3 |
64.2 |
61.1 |
教育研究経費比率 |
大学 |
32.7 |
30.7 |
32.4 |
36.2 |
36.3 |
高中 |
22.1 |
21.9 |
23.8 |
24.4 |
23.4 |
全体 |
29.1 |
27.9 |
29.5 |
32.4 |
31.9 |
管理経費比率 |
大学 |
13.4 |
10.1 |
10.7 |
12.2 |
11.0 |
高中 |
5.7 |
5.6 |
5.4 |
5.0 |
5.6 |
全体 |
11.9 |
10.5 |
10.1 |
10.8 |
10.0 |
学生生徒等
納付金比率 |
大学 |
87.4 |
85.2 |
86.9 |
87.9 |
88.1 |
高中 |
66.3 |
64.2 |
63.3 |
62.8 |
64.9 |
全体 |
80.1 |
77.8 |
79.0 |
78.4 |
77.7 |
(注1) 大学は幼稚園を除く
(注2) 経常収支は、法人経費計上前の数字
(注3) 平成31年度版「今日の私学財政」より
「大学」
- 全大学:医療系除く
- 規模別分類:在学生数1,000〜2,000人未満
- 系統別分類:文他複数学部
「高中」
- 高校(大学と併設校)・規模別分類:在校生数600人未満
- 中学(大学と併設校)・規模別分類:在校生数400〜600人未満
- 1と2の平均
「全体」
- 大学設置法人・規模別分類:在学生数・在校生数合計 3,000〜5,000人未満
財務比率の計算式は次のとおり。
- 事業活動収支差額比率 基本金組入前当年度収支差額÷事業活動収入
- 経常収支差額比率 経常収支差額 ÷ 経常収入
- 人件費比率 人件費 ÷ 経常収入
- 教育研究経費比率 教育研究経費 ÷ 経常収入
- 管理経費比率 管理経費 ÷ 経常収入
- 学生生徒等納付金比率 学生生徒等納付金÷経常収入
|
|
〒657-0022 神戸市灘区土山町6番1号 学校法人 親和学園 |
|