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親和中学校・親和女子高等学校神戸親和女子大学神戸親和女子大学附属幼稚園
財務状況

2021(令和3)年度予算
3.事業計画書

目次


  1. 入学者数・志願者数等の計画
  2. 教職員の要員計画等
  3. 人事諸施策
  4. 2021年度の施設・設備関係の主な事業計画
  1. 神戸親和女子大学の事業計画
  2. 親和女子高等学校・親和中学校の事業計画
  3. 法人の事業計画


1.収支予算の概要
2.収支補正予算
3.事業計画書



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最新の予算・決算は財務状況トップよりご覧下さい

事業計画と予算編成の基本方針

1.学園をめぐる状況

(1) 現状認識

1) 人口減少と生徒・学生確保の状況

 2020年度は、世界規模で猛威を奮っている新型コロナウイルスの感染拡大によって学園の教育研究体制・運営が大きな影響を受けた年になった。次年度もコロナウイルス感染の収束が見込まれておらず、コロナ禍の影響を受け、多方面での積極的な対応が求められるし、必要だと認識している。
 学園をめぐる厳しい状況は、コロナ禍だけではない。人口減少に歯止めがかからず、2020年に生まれる新生児は84万人まで減少すると予想されている。一部ではコロナ禍のために80万人を割るとの予測もある。2020年の18歳人口が117万人で、12歳人口が109万人であることを考えれば、18年後には18歳人口は33万人減少、12歳人口は25万人減少することになる。危機という言葉で片付けることはできないし、生徒・学生の確保の点からいうと、思考が止まりそうになる数字であり実態である。
 それでも、私たちは親和の教育を推進することでこの「未知の難局」を乗り越えていかなければならない。そして生徒・学生確保という最大の課題と困難を克服し親和の未来を切り拓いていかなければならない。そのためには、私たちはまずはこの厳しい現実を受け入れなければならない。感覚ではなく、客観的な事実を、数字を確認・理解しなければならない。ここ5年の入学者の推移を確認しておこう。
 大学については学部の定員は415名で、2016年が405名、2017年が480名、2018年が417名、2019年が373名、2020年度が413名となっている。過去5年で定員割れが3度と、学生確保が次第に厳しさを増しているのが分かる。収容定員(1,660名)の視点からみても、現在、在籍者が1,681名で定員を充足してはいるが、2020年度の卒業生が約480名であれば、2021年度の入学生が459名を割ると、収容定員も同時に割ることになる。
 中学については240名の募集で、2016年が177名、2017年が166名、2018年が175名、2019年が174名、2020年が210名の募集で174名となっている。数字上は下げ止まりの状況で、募集人数への上昇傾向はみられない。
 高校については、30名の募集で、2016年が8名、2017年が12名、2018年が15名、2019年が14名、2020年が60名の募集で22名となっている。ただし2020年度は国際コース(30名募集)を含めての数字である。募集開始から低迷が続いている実態は深刻な状況にある。
  ここであえて現実の数字を記載したが、それは私たちの現実への認識の切実さを問うためである。この厳しい現実を真摯に受け入れることから、私たちの未来への挑戦が始まると考えたからである。次年度は、コロナ禍の影響もあり、生徒・学生募集はいっそう厳しさを増すものと考えられるだけに、今の難局と正面から対峙する必要があると考えなければならない。

2)財務状況
 直近3ヵ年の「教育活動収支差額」は、平成29年度(2017年度)が▲16,242千円(内、減価償却357,428千円)、平成30年度(2018年度)が▲114,839千円(内、減却償却が364,724千円)、令和元年度(2019年度)が▲168,606千円(内、減価償却が374,364千円)となっている。また、教育活動収支に教育活動外収支を加えた「経常収支差額」については、平成29年度が▲32,502千円、平成30年度が▲128,405千円、令和元年が▲182,858千円となっている。厳しい現実を示す数字である。
 その要因としては、人件費等を抑制しているにもかかわらず、生徒・学生数の減少で学納金が減少していること、そして減価償却額が増えていることが挙げられる。
 経常キャッシュフロー(減価償却額補正後の経常収支差額)でみれば、3ヵ年連続プラスであるが、実態は積み立てが十分できていないということであり、正常な財務状況ではない。
 今後の見通しとしては、生徒・学生の確保が財政基盤の強化の大前提となることから、教育改革を進め、魅力ある学園にすることによって適正な生徒・学生を確保することが第1の課題である。補助金の増額が見込めない中、寄付金等の外部資金の獲得に努めることも必要である、減価償却額については、ここ数年、新たな建物の建築等で増加傾向にあったが、2022年度から大学の1号館の減価償却額が大幅に減少することに伴い、法人全体では減額が見込まれる。また、中高の借り入れの返済が2021年度で終わることも、財務状況の改善に資するものと考えている。
  いずれにしても、@で述べたように、少子化が進行する中、生徒・学生を確保し財政基盤の強化を図ることは容易なことではない。とすれば、一方で、支出の削減を図っていくことはどうしても必要となる。聖域を設けず、費用対効果を睨みながら厳しいアプローチを取らざるを得ないが、とくに、新型コロナウイルスの感染の収束が見込めない中、未来が読めないだけに、私たちは「未知の難局」に直面しているといえる。

(2)「未知の難局」に取組む姿勢

 今の「未知の難局」に直面している私たちに求められているのは、リンダ・グラットンが言うように「漫然と未来を迎える」のではなく、「主体的に未来を築く」姿勢であり意欲である。
 私達は今後、このような姿勢と意欲をもって360度の角度からあらゆる可能性を探り、改革に努める必要がある。それも必要なのは、単発的な改革ではなく、連続的な改革である。とはいっても、私たちの学園は教育研究機関である。私たちのミッションは生徒・学生の教育、その成長支援にあることを忘れてはならない。P.ドラッカーが言うように、私たちは困難に直面した時、「私たちの事業はなにか」という問いを発することが必要であり、この問いに対する回答の地平においてのみ、私たちの改革が可能であり成果を挙げるべきなのである。その地平においてのみ、挑戦も適切性と正当性を有するのである。
  上記の現状認識と考え方・姿勢を踏まえた上で、2021年度の事業計画策定の基本方針を以下の通りとする。

1.事業計画策定の基本方針

(1)目標:事業計画の指針

  1. 目標の入学者数の確保
  2. 目指す教育を実現する事業
  3. 他校・他大学と差別化できる事業
  4. 社会の発展動向に対応する事業
  5. 自治体・企業・各種団体と連携した事業

(2)事業計画の留意点

  1. 差別化とコスト削減の均衡に留意する。
  2. 4つのアクション(取り除く・減らす・創造する・増やす)に留意する。
  3. AI&ITの活用に留意する。
  4. 人・物・資金という資源に留意する。
  5. 事業の完成時期を明記する。

2.予算編成の基本方針及び留意点

  1. 各設置学校は、学園及び各設置学校別の5ヵ年計画を踏まえ、総合的な観点から予算編成する。
  2. 予算編成の前提となる入学者数は以下のように設定する。
    1. 中学校:180名 高等学校:45名
    2. 大学学部:460名(留学生を含む) 大学院:35名(留学生を含む)
    3. 通信教育部588名
    4. 附属幼稚園:210名
  3. 厳しい財政を踏まえ、高中・大学ともゼロシーリングとする。
  4. 「選択と集中」の視点から予算を配分する。

3.事業計画及び予算編成における特記すべき留意点

  1. 各設置学校の経営(戦略)会議において、事業計画案と予算編成案を検証した上で、さらなる精選と実質化を図るものとする。
  2. 親和アリーナの建設に伴う予算執行と借入れを念頭に予算編成を行う。
  3. withコロナ及びafterコロナを念頭に事業計画の策定及び予算執行に留意する。


II. 法人の概要

1 基本情報

1)法人の名称:学校法人親和学園
2)主たる事務所の住所:神戸市灘区土山町6番1号
電話番号:078-854-3820
FAX番号:078-854-3822
ホームページ:https://www.shinwa-gakuen.jp

2 建学の理念等

建学の理念

広い世界観と社会的行動力を持つ新しい女性の育成


校訓

・誠実を旨とし、言行に表裏なからむことを期すべし
・堅忍不抜の精神を持し、以て婦人の天職を尽すべし
・温和従順の徳を本とし、忠恕の道を完うすべし


校章の由来

校訓の
「誠実」を表すものとして中心に鏡 を象し
「堅忍不抜」を表すものとして縁辺に菊 
「温和」を象徴する葵 を縁辺に置いた


3 学校法人の沿革

年 月 日 学校法人・学校・学部・学科等の変遷
【1887年〜1899年】
1887(明治20)年 10月5日 佐々木祐誓を中心に神戸市内元町善照寺内に私立親和女学校創立
1892(明治25)年 11月2日 友國晴子独力にて校名だけを継承して、神戸市下山手通6丁目に民家一戸を借り、自ら校長兼教員として学校経営に尽力
1895(明治28)年 12月 神戸市下山手通7丁目に校舎竣工
1899(明治32)年 8月 親和女学校認可
【1900年〜1959年】
1908(明治41)年 2月26日 私立親和高等女学校設立認可
9月12日 学則・校章制定、校訓改定
1910(明治43)年 7月6日 財団法人親和高等女学校を設立
1917(大正6) 年 5月 親和高等女学校 校歌を制定
1925(大正14)年 10月26日 校祖友國晴子逝去(68歳)
1937(昭和12)年 10月25日 親和学園創立50周年記念式典挙行
1947(昭和22)年 4月1日 学制改革により、新制親和中学校を併置
1948(昭和23)年 7月21日 親和女子高等学校設置認可
1951(昭和26)年 2月23日 私立学校法による組織変更が認可され、学校法人親和学園と改称
【1960年〜1999年】
1966(昭和41)年 4月1日 親和女子大学 (文学部=国文学科、英文学科)開学
1972(昭和47)年 4月1日 大学  文学部「児童教育学科」開設
1977(昭和52)年 4月10日 大学附属図書館竣工
1987(昭和62)年 10月25日 親和学園創立100周年記念式典挙行
1987(昭和62)年 11月22日 大学学生会館竣工
1989(平成元)年 3月29日 親和女子高等学校、親和中学校、法人本部が六甲(神戸市灘区)へ移転(神戸市中央区下山手通から)
1994(平成 6)年 4月1日 大学名を神戸親和女子大学に改称、「教育専攻科」設置
1995(平成 7)年 1月17日 阪神・淡路大震災発生 中学棟被災し使用不能となる
1997(平成 9)年 4月5日 中学棟、新運動場竣工
【2000年〜】
2000(平成12)年 11月27日 大学  厚生省「保育士を養成する学校その他の施設」の指定
(児童教育学科)
2002(平成14)年 4月1日 大学院文学研究科(修士課程「心理臨床学専攻」「教育学専攻」)開設
2003(平成15)年 4月1日 大学  文学部「総合文化学科」「心理臨床学科」「福祉臨床学科」開設
2004(平成16)年 4月1日 大学  教育研究センター開設
2005(平成17)年 4月1日 大学  発達教育学部(「児童教育学科」「心理臨床学科」「福祉臨床学科」)開設
2006(平成18)年 4月1日 大学  通信教育部(発達教育学部「児童教育学科」「福祉臨床学科」)開設
2007(平成19)年 7月1日 大学  三宮サテライトキャンパス「センタープラザ教室」開設
10月20日 親和学園創立120周年記念式典挙行
2008(平成20)年 3月12日 大学  神戸市北区と地域連携協定を締結
4月1日 大学  発達教育学部(「ジュニアスポーツ教育学科」)開設
4月1日 大学  「子育て支援センター」新設
2009(平成21)年 7月24日 法人  常任理事会を設置
9月20日 大学  6号館(スポーツ教育健康センター)竣工
2011(平成23)年 9月20日 大学  新2号館竣工
2012(平成24)年 11月9日 親和学園創立125周年記念講演会開催
2014(平成26)年 4月1日 中学  「Sコース」「総合進学コース」2コース制実施
2016(平成28)年 3月18日 大学 ラーニングコモンズ竣工
2016(平成28)年 4月1日 大学 附属親和幼稚園開設
2016(平成28)年 4月1日 法人 親和教育研究所開設
2016(平成28)年 10月8日 神戸親和女子大学創立50周年記念式典挙行
2017(平成29)年 9月19日 親和学園創立130周年記念式典挙行
2018(平成30)年 8月31日 大学 国際交流寮竣工
2019(平成31)年 4月1日 高中 ラーニングコモンズルーム開設
2020(令和2)年 4月1日 高校「国際コース」開設
4月1日 認定こども園 神戸親和女子大学附属親和幼稚園開設
9月30日 大学 親和アリーナ竣工

4 設置する学校・学部・学科等

(2021年3月1日現在)
学校区分 学部 学科・専攻 設置認可年月日 設置年月日
神戸親和
女子大学
大学院
文学研究科
心理臨床学専攻 平成13年12月20日 平成14年4月1日
教育学専攻
文学部 総合文化学科 平成14年5月29日 平成15年4月1日
(国際文化学科) (令和2年6月18日
届出受理)
(令和3年4月1日)
(心理学科)
発達教育学部 児童教育学科 平成16年11月17日
(届出受理)
平成17年4月1日
心理学科
福祉臨床学科
ジュニアスポーツ教育学科 平成19年6月25日
(届出受理)
平成20年4月1日
通信教育部 児童教育学科 平成18年1月31日 平成18年4月1日
通信教育部 福祉臨床学科

学校区分 課程名 学科 設置者変更
認可年月日
設置年月日
認定子ども園
神戸親和
女子大学附属
親和幼稚園

平成28年4月1日
(神戸親和女子大学附属親和幼稚園)

令和2年4月1日
(認定こども園 神戸親和女子大学附属親和幼稚園)

学校区分 課程名 学科 設置認可年月日 創設年月日
親和女子
高等学校
全日制課程 普通科 (新制)
昭和23年7月21日
(私立親和女学校)
明治20年10月5日

学校区分 課程名 学科 設置認可年月日 創設年月日
親和中学校

昭和22年4月1日 昭和22年4月1日

5 役員の概要

(2021年3月31現在)
氏名欄の※は非常勤理事
理事 定員 現員 氏名 (就任年月日)
理事長 1名 1名 山根 耕平(2020.5.27)
常務理事 1名 1名 安藤 直哉(2020.5.27)
神戸親和女子大学長 1名 1名 三井 知代(2018.4.1)
親和女子高等学校長 1名 1名 竹内 弘明(2018.4.1)
評議員会選任 9名 9名 古川知子(2020.4.1)、中瀬古 哲(2020.5.27)
井坂かおる(2020.4.1)、橋本秀則(2020.4.1)
米津佳子※(2020.5.27)、荘林淳子※(2020.5.27)
中藤 広(2020.4.1)、毛利淳一(2020.4.1)
小林雅樹(2020.4.1)
理事会選任学識経験者 3名 3名 鞍本 昌男※(2020.5.27)、古家 清子※(2020.5.27)
村元 四郎※(2020.5.27)
総 数 16名

16名


監 事 2名 2名 白井 義人※(2020.5.27)、則藤 力※(2020.5.27)

6 評議員の概要
(2021年3月1現在)
評議員 定員 現員 氏名 (就任年月日)
神戸親和女子大学長 1名 1名 三井 知代(2018.4.1)
親和女子高等学校長 1名 1名 竹内 弘明(2018.4.1)
神戸親和女子大学副学長 1名 1名 古川 知子(2020.4.1)
親和女子高等学校副校長 1名 1名 井坂 かおる(2020.4.1)
親和中学校教頭 1名 1名 橋本 秀則(2020.4.1)
法人事務局長 1名 1名 中藤 広(2020.4.1)
神戸親和女子大学事務局長 1名 1名 毛利 淳一(2020.4.1)
親和女子高等学校・
親和中学校事務局長
1名 1名 小林雅樹(2020.8.23)
理事会推薦教職員で
評議員会選任

13名

13名

坂本供美(2020.5.27)、中瀬古 哲(2020.5.27)
間渕泰尚(2020.5.27)、森田 篤(2020.5.27)
安井茂美(2020.5.27)、吉野俊彦(2020.5.27)
青木直子(2020.5.27)、桑田光一(2020.5.27)
松井 淳(2020.5.27)、松本康浩(2020.5.27)
南 謡子(2020.5.27)、森上展宏(2020.5.27)
田智司(2020.11.27)
設置学校卒業生で
理事会選任
10名 10名 米津佳子(2020.5.27)、阿部由佳(2020.5.27)
有本三春(2020.5.27)、日下裕子(2020.5.27)
山添恵子(2020.5.27)、荘林淳子(2020.5.27)
垣陽子(2020.5.27)、瀧中ようこ(2020.5.27)
中村佳子(2020.5.27)、福地典子(2020.5.27)
理事会選任学識経験者 10名 10名 山根耕平(2020.5.27)、安藤直哉(2020.5.27)
鞍本昌男(2020.5.27)、古家清子(2020.5.27)
村元四郎(2020.5.27)、岩崎拓治(2020.5.27)
国広輝代(2020.5.27)、西野正矩(2020.5.27)
三木四郎(2020.5.27)、村上博子(2020.5.27)
総 数 41名 41名

7ガバナンス機能を発揮する体制

  1. 常任理事会
    事会からの委任に基づき、執行機関として、常設の常任理事会で機動的に意思決定するとともに、各設置学校の主要な課題について協議し課題解決を図っていく。
    常任理事会には、監事1名が交代で出席し、議案の適正性、報告事項の充実性について  適宜意見を述べる。
  2. 経営会議
    戦略的な学園経営にあたり、学園経営会議・大学経営会議・高中経営会議を設けて、大学、高中の部門別にそれぞれの経営戦略に関する重要事項や中長期的な課題について協議するとともに、組織横断的かつ有機的に経営改革を進める。
  3. 内部監査委員会
    理事長のもとに内部監査委員会を設置し、学校法人の各組織の仕事の効率化・適正性・コンプライアンスについて検討・評価する監査業務を行う。
    各年度における監査結果を踏まえ、業務の改善や是正に繋げていく。
  4. 監事と監査法人との情報交換
    監事と理事者および監査法人三者の定期ミーティング機会を設け、財産の状況の適法性、経理処理の適正性や業務の効率性・合目的性等の監査実施に係る情報交換を行う。
    また、内部監査委員長が、内部監査実施計画や内部監査結果の報告をするなど、三様監査の連携に努める。
  5. 情報の公表
    私立学校法に基づき、寄附行為、監査報告書、財産目録、貸借対照表、収支計算書、事業報告書、役員等名簿(個人の住所に係る記載の部分を除く)及び役員に対する報酬等の支給の基準を学校法人親和学園のホームページに掲出することにより適切に開示している。
  6. 公益通報者の保護体制
    本学園における公益通報者の保護、公益通報の処理等に関して必要な事項を定めており、業務に関し法令違反行為の早期発見及び是正を図る体制を整備している。
 


II. 法人の計画概要

【1.入学者数・志願者数等の計画】

1. 2021年度入学者数

入学者数を次のとおり見込んでいます。

(単位:人)
区分 当年度
予算(A)
前年度
補正予算(B)
対前年度比
(A)−(B)
神戸親和女子大学 大学院 35 17 18
文学部 144 73  71
発達教育学部 316 340      △ 24
通学部計 495     430 65
通信教育部 69 71      △ 2
通信教育部(秋期)   8  8 0
附属幼稚園     30 33     △ 3
 602 542 60
親和女子高等学校   202 176 26
親和中学校     180    174      6
高等学校・中学校計     382  350    32
総合計  984 892 92

・通信教育部は、正科生・課程正科生のみ。

2. 入学初年度の学費
  1. 神戸親和女子大学大学院(長期履修学生は除く)
    入学金200,000円、授業料450,000円、教育充実費(心理臨床学専攻250,000円、教育学専攻150,000円)
  2. 神戸親和女子大学学部
    入学金230,000円、授業料870,000円、施設設備充実費100,000円(ジュニアスポーツ教育学科は180,000円)、教育充実費(総合文化・心理学科・ジュニアスポーツ教育学科200,000円、児童教育科210,000円)
  3. 神戸親和女子大学通信教育部(正科生)(スクーリングは除く)
    入学金・編入学金30,000円、教育充実費(設備費)15,000円、授業料140,000円
  4. 認定こども園 神戸親和女子大学附属幼稚園
    施設型給付に移行 諸経費 入園受入準備金 10,000円、施設充実費 月額2,000円、 教育・保育充実費 月額1,000円
  5. 親和女子高等学校
    入学金300,000円(内部進学者200,000円)、授業料360,000円、施設整備費180,000円、教育充実費60,000円
  6. 親和中学校
    入学金350,000円、授業料396,000円、施設整備費180,000円、教育充実費102,000円
3. 2021年度の学生・生徒数
(単位:人)
区分 当年度
予算(A)
前年度
補正予算(B)
対前年度比
(A)−(B)
神戸親和女子大学  大学院 48 33 15
 文学部 293 234 59
 発達教育学部 1,314 1,432     △118
通学部計 1,655 1,699     △44
通信教育部
(正科・課程正科生)
296 358      △62
通信教育部
(科目等履修生)
293 265 28
附属幼稚園 210 211       △1
大学計 2,454 2,533      △79
親和女子高等学校 560 540 20
親和中学校 530 522 8
高等学校・中学校計 1,090 1,062 28
総合計 3,544 3,595     △51

4. 2022年度入学志願者数等
  1. 入学志願者数
    入学志願者数を次のとおり見込んでいます。
    区分 人数(人)
    神戸親和女子大学 大学院 25
    文学部 400
    発達教育学部 800
    通学部計 1,225
    通信教育部 160
    附属幼稚園 30
    1,415
    親和女子高等学校 201
    親和中学校 800
    ・通信教育部は、科目等履修生(一般)含む。  
    ・親和女子高等学校は、2020年度より45名外部募集。
  1. 入学志願者の入学検定料
    入学検定料は、現行額(大学院・学部30,000円、通信教育部10,000円、高等学校(外部のみ)・中学校20,000円)と同額とします。

【2.教職員の要員計画等】

1. 要員計画

教職員数の計画は、次のとおりです。

  1. 神戸親和女子大学  (単位:人)
    区分 当年度
    予算
    前年度
    補正予算
    対前年比
    教員 大学院 0 0 0
    文学部 22 12 10
    発達教育学部 55 61 △6
    附属幼稚園 25 23 2
    本務計
    内、任期付教員
    102 96 6
    37 36 1
    兼務
    (非常勤講師)
    春学期 98 109 △11
    秋学期 86 96 △10
    通信(注1) 42 44 △2
    附属幼稚園  2 5 △3
    職員 本務
    (内、期間雇用職員[無期転換者含む])
    59 64 △5
    26 30 △4
    兼務 32 37 △5
    91 101 △10

(注1)  通学部との兼務含む
(注2)  本務、兼務の「区分」は学校法人会計基準に準拠して表記しています。

  1. 親和女子高等学校・親和中学校  (単位:人)
    区分 当年度
    予算
    前年度
    補正予算
    対前年比
    教員 本務 高等学校 36 35 1
    (内、任期付教諭) 10 8 2
    中学校 29 28 1
    (内、任期付教諭) 3 4 △1
    兼務 高等学校 13 13 0
    中学校 9 9 0
    87 85 2
    職員 本務 高等学校 10 11 △1
    (内、期間雇用職員)※ 4 4 0
    中学校 6 5 1
    (内、期間雇用職員)※ 5 4 1
    兼務 高等学校 9 10 △1
    中学校 8 8 0
    33 34 △1
  2. ※無期転換者を含む

  3. 法人事務局  (単位:人)
    区分 当年度
    予算
    前年度
    補正予算
    対前年比
    職員 本務
    (内、期間雇用職員[無期転換者含む])
    5 5 0
    2 2 0
    兼務 0 0 0
    5 5 0
【3.人事諸施策
  1. 人事方針
    適正な人事を行うとともに教職員の資質向上のために、人事方針を以下の通りとする。
    1. 求める教職員像を明確にする。
    2. タスク型の人材多様性を念頭に採用する
    3. 5ヵ年計画に基づく採用人事を行うとともに、組織の構造改革を行い、人事の効率化に努める。
    4. 社会のデジタル化を念頭にFD研修及びSD研修を計画的(3年計画)に行う。
    5. 設置学校間の教職員の交流を促進する。
    6. 教職員の資質向上のための助成制度を継続する。
  2. 教育職員に対する重点施策
    1. 神戸親和女子大学
      • 学園の第3次財政改善計画に基づき、教育研究目的に適う教員組織を構築し、運営する。
      • 本学が求める教員像に基づき、教員組織の構築を図る。さらに、FD活動を活性化し教員組織を充実させる。
      • 適正な教員評価及び授業評価の円滑な導入
      • 大学経営会議戦略会議及び改革推進会議のもと、さらなる新規事業の開拓に努める。
      • 外部の大学・自治体・関連団体等とのネットワーク構築に努める。
    2. 親和女子高等学校・親和中学校
      • ICT教育・情報教育、アクティブラーニング型授業等、新しい学びのスタイルに順応できる授業力、知識を深めるための研修や勉強会を企画し実施する。
      • 2月には他校教員や教育関係者を募り、親和教育フォーラムを開催し、授業改善について意見交換会や講演を行い、授業力の向上を図る。
      • 新大学入試や教育課題、授業改善について研修会や勉強会を企画し実行する。
      • 適正な教員評価及び授業評価の円滑な導入を進める。
      • 外部の大学・自治体・教育団体とのネットワーク構築に努める。
  3. 事務職員に対する重点施策
    1. 人事計画
      • 業務体制の見直しと業務規模の適正化を進め、人事計画に反映させる。新人事計画を学園の第3次財政改善計画に組み込む。
    2. 事務組織
      • 法人事務局と高中事務局について、チーム制を導入するなど、さらに連携を強化し、事務組織の強化及び業務の合理的・効率的な事務運営を目指す。
      • 法人、大学及び高中部門の事務の連携強化を図る。
      • 設置学校の教育研究活動の充実と運営の円滑化のために、教育職員・事務職員の連携強化を図る。
      • 事務組織及び業務のデジタル化とネットワーク化を推進する。
    3. 研修
      • 働き方改革への対応、事務組織の強化及び財政改善を目的とした、業務の効率化・合理化についての研修制度を計画的に継続して実施する。
      • 事務職員各自の能力の向上を図るために、SD活動や研修制度を拡充する。

【4.2021年度の施設・設備関係の主な事業計画

 第3次財政改善計画に基づき、施設設備・備品に係る教育(研究)上の必要性等を総合的に検討し、年次の計画を策定する。計画の策定に当たっては、優先度・耐久年数およびその有効利用等を検討するものとする。

(1)神戸親和女子大学

  1. (主な建物構築物改修関係)               
    • 2号館GHP空調更新工事
    • 正門前他舗装改修工事 
                  
  2. 教育研究用機器備品等の充実については、教育研究の内容と方法の高度化、多様化に対応させ、それぞれに即した計画的な整備充実を図る。
    (主な設備関係)
    • 正門前他舗装改修工事
    • 教室AVシステム新規更新一式 
      (1号館1階・3階,6号館,311)
    • 6号館トレーニング機器(第二期)更新一式
    • WAN回線増強
    • 学内Wi-Fiのアクセスポイントの増強

(2)親和女子高等学校・親和中学校                

  1. 施設関係                       
    • 中央監視盤更新工事
    • 中学棟多目的室系統空調機更新工事
    • 高圧変成器関係更新工事
    • イングリッシュルーム改修工事
  2. 設備関係
    • 普通教室無線LAN増強工事
    • 普通教室(中学棟)PC機器更新工事


II. 事業計画の概要

【神戸親和女子大学の事業計画】

1. 基本方針

1.現状分析・認識

 我が国における少子化の進行は、18歳人口の大幅な減少をもたらし、今やピーク時に比べ、18歳人口は半減している状況である。今後もその傾向は加速度的に進んでいく。18歳人口を主たる入学者としている大学にとっては、まさに冬の時代が到来し、今後氷河期ともいえる時代へと向かいつつある。このように私立大学を巡る環境は一層厳しくなるとともに、社会からの大学への期待は高まる半面、教育改革の実行や大学評価など大学の教育研究、運営に対する説明責任も強く求められているところである。さらに、2020年初頭から始まった新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、今後社会生活の変革、特にデジタルトランスフォーメーション(DX)と呼ばれるデジタル変革のスピードは情報技術(IT)の更なる浸透により加速度的に速まることが予測されている。社会が感染症パンデミックという世界的な危機を乗り越え、ニュー・ノーマル時代を構築していくためには、DXをはじめ様々な社会変革に対応し、新たな課題解決に取り組むイノベーション人材の育成が喫緊の課題となっている。
 社会が激動する時代を迎え、未来を切り開く人材を輩出するために、大学はこれまでの教育研究を今一度見直し、再構築する必要がある。これまで培ってきた伝統、建学の精神を中核にしながらも、ニュー・ノーマル時代に対応した教育研究を行うことが求められている。大学は明確な将来ビジョンをもち、変化に応じて着実な計画を立て、変化していかねば生き残ることはできないという認識に立ち、不断に教育研究の改革を進める必要がある。このため、神戸親和女子大学は、2020年に策定した「第3次神戸親和女子大学10年構想5ヵ年計画」に従って目標・計画を実現するとともに、今回のコロナ禍により一部修正する計画も含めて将来へ向けての歩みを確実なものとしたい。
  特に年度末及びアクションプランの最終年度において計画の実行・成果の検証を必須とし、柔軟に微調整、修正を行いながら目標の達成に向けて邁進したい。特に、本学の今後の発展の基盤となる教学面、経営面からの長期的な展望に立った施策が必要であるとの認識から、第3次10年構想5ヵ年計画においては、A 学生の成長を支える教育システム、カリキュラムの充実(特に新学科構想も含めた改組転換、キャリア支援)、B 大学が地域や大学関係者の学びの拠点となるような体制の構築、C 学生におけるグローバルマインドの育成(海外研修協定校との連携やインターンシップの拡充などの国際化推進)、? 安定した学生確保(定員の1.1倍)のための入試制度の充実と広報活動(出口イメージの明確化)、E 大学運営の改善・改革(PDCA実施体制の充実)の5点を重点項目とし、より詳細な中長期計画を立て臨むものとする。2021年1月には学長室に「企画戦略・改革推進室」を立ち上げ、大学改革のより迅速な実施に向けて検討を重ねている。

2.将来ビジョン

 神戸親和女子大学が「目標とする将来の大学像」は、1.学生が成長する大学(学生一人ひとりの個性と多様性が尊重され、学生が最大限に成長する大学)、2.学びの共同体の拠点大学(学生・教職員・保護者・卒業生・地域からなる学びの共同体の拠点となる大学)、3.グローバルマインドを育成する大学(異文化を理解し、他者と協働して国内外の社会的な課題解決に粘り強く取り組む国際人を育成する大学)の実現である。

3.建学の理念・精神

 建学の理念「広い世界観と社会的行動力を持つ新しい女性の育成」が神戸親和女子大学の建学の精神であり、SHINWA VISION 2030により建学の精神を具現化することを目指す。

4.教育理念・目的

 本学は、教育基本法(昭和22年法律第25号)及び学校教育法(昭和22年法律第26号)に則り、建学の精神に基づき、社会の発展方向を広く視野におき、学芸に関する多様な教育研究を通して豊かな教養を培い、専攻に係る学識を深めることによって、総合的判断力をもち主体的に社会に対応できる人間を育成することを目的とする。(学則第1条)

5.教育研究目標

(1)目指す人材像

 文学部においては、豊かな教養と専門知識をもち、日本の言語文化の継承と発展を担い、国際的な視野を備えた人材、さらに地球規模の共生社会に主体的に参加する人材を育成する。
 発達教育学部においては、豊かな教養と専門的知識をもち、他の人々と協力して人間の発達と教育にかかる課題に取り組み、その解決に持続して努力できる人材、さらにそのような協働の活動においてイニシアティブのとれる人材を育成することを教育目標としている。(学則第2条)

 SHINWA VISION 2030では、本学の教育により学生に備える3つの力として「課題解決力」、 「コミュニケーション力」、「自分の限界を超えていく力」を掲げている。

(2)教育研究目標

 教育研究上の戦略目標を次のとおり定める。

戦略目標I:大学の強みを活かし学生の最大限の成長を支援
(1)小規模大学ならではの個別性、多様性を尊重したきめ細かな教育
(2)親和学園全体としての交流・教育・研究の推進

戦略目標II:地域の教育・研究・実践拠点
(1)「スポーツセンター」を拠点とした地域貢献及び大学スポーツの振興
(2)自治体、企業、NPOとの連携・協働により、地域社会の課題解決に役立つ教育・研究の推進
(3)リカレント教育の展開により、多様な人々が集う学びの共同体の構築

戦略目標V:社会のグローバル化に対応する教育・研究
(1)世界基準の教員養成
・世界最先端の大学教育学部・附属学校園と研究・教育に関するネットワークの構築 
・情報通信技術、人工知能などを活用した教育・保育方法の開発
(2)グローバル化に対応できる国際人の育成
・幅広い文化理解と語学力により、日本や世界を舞台に活躍できる国際人の育成

 上記の(長期)目標の実現のため、中期5ヵ年計画ヵ年の計画を立案し、自己点検・自己評価を継続して行う。以下に5ヵ年計画における重点項目を挙げる。

A 学生の成長を支える教育システム、カリキュラムの充実
B 大学が地域や大学関係者の学びの拠点となるような体制の構築
C 学生におけるグローバルマインドの育成
D 安定した学生確保のための入試制度の充実と広報活動
E 大学運営の改善・改革
 
 上記重点項目を含め、【中期目標・中期5ヵ年計画】を以下のとおり定める。なお、中期計画の実行にあたってはアクションプランを作成し、具体的な数値目標をたて実行する。
 以下の目標・計画中、黒丸●5ヵ年短期重点項目。白丸○は長期目標、継続的目標。
 A、B、C、D、Eは重点項目の内容。(A:学生の成長を支える教育システム、カリキュラムの充実、B:大学が地域や大学関係者の学びの拠点となるような体制の構築、C:学生におけるグローバルマインドの育成、D:安定した学生確保のための入試制度の充実と広報活動、E:大学運営の改善・改革)

1 理念・目的に関する目標・計画

  1. 理念・目的を検証し、大学の施策に反映させる。
    〇大学の設置理念を実現する方策を検討し大学の将来構想等に反映
  2. 理念・目的を達成するための事業を計画,実施する。
    〇SHINWA VISIONの実現に向けて具体的な実行計画を策定する。
  3. 理念・目的を周知・公表し、関係者で共有する。
    〇大学の設置理念、校訓について、学長講話や教職員研修などを通じて、繰り返し説明し、学生、教職員の理解を深める

2 教育課程に関する目標・計画

  1. ディプロマポリシーを検証し、必要に応じ改定する。
    ●学則、ディプロマポリシーに則り学生の育成ができたかどうかアセスメントポリシーにより検証(A)
  2. カリキュラムポリシーを検証し、必要に応じ改定する。
    ●ディプロマポリシーとの関連でカリキュラムポリシーを検証(A)
    〇社会の動向に応じてカリキュラムを常に見直す(A)
  3. 時代の変化に対応して教育課程の改革・改善を図る。
    ●共通教育改革の実行(A)
    ※英語等運用能力、情報活用能力、論理的文章構成力の向上を目指したカリキュラム構成
    ●各学科におけるカリキュラムの充実とカリキュラムの体系化
    ※児童教育学科におけるインターンシップ等現場体験実習の充実
  4. 最新技術を活用して教育方法の改革・改善を図る。
    ●ICTを活用した教育方法の開発・実践(A)
    ※学生のICT活用能力の向上や学びの深化を目的とし、講義におけるICT活用の推進
    ※授業内外のデジタル化の推進
    ※教育効果の高いオンライン授業の開発
  5. 大学院教育の充実
    〇公認心理師、臨床心理士合格者数の増加のための施策を実施(A)
    ●両専攻科のカリキュラムの検討、整備。社会人学生向けのカリキュラム(A)
  6. 学生の適正な成績評価を可能とするシステムの構築
    ●ポートフォリオの構築、学修成果の可視化(A)
    ●ルーブリックにおる評価の導入と検証(A)
  7. 通信教育部カリキュラムに関する改革(A)
    ●時代の変化に対応した通信教育カリキュラムの構築(A)
  8. 産学連携における教育の推進
    連携企業との授業展開(A
    ※国際文化学科情報コミュニケーションコースと心理学科ビジネス心理コースにおけるプロジェクトベースドラーニング授業

3 教育研究組織の改編・拡充に関する目標・計画

  1. 時代の変化に対応して学部・学科の改組・転換を図る(A)
    ●学部・学科の改組・転換、学科定員の再検討、大学院教育の充実などの計画の検討(A)
    ※発達教育学部の教育学部への名称変更(2022年〜)
    ※児童教育学科における改組・転換あるいは新コース(2022年〜予定)
    ※国際文化学科情報コミュニケーションコース(2022年〜)
  2. 地域における学び・研究のプラットフォームとして機能する。
    〇大学が地域や大学関係者の学びや研究の拠点となるよう体制の整備(B)
  3. 大学のグローバル化を目指した組織の充実を図る。
    ●学生の海外留学・研修の充実。留学生支援。海外協定校*との連携拡充(C) 
    ※2021年〜イタリアレッジョチルドレンとの連携協定、2022年〜コロンビア大学付属校
    との連携協定。※新型コロナウイルス感染症の影響により延期になる可能性もある。
    ※オンライン海外研修の実施
    〇学生の留学・海外研修を支援する基金を創設(C)
    ●海外留学、研修、海外インターンシップの充実。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響を見極め実施の可否を検討。上記オンライン研修を代替・新規事業として展開(C
  4. 教育研究支援のための施策の充実を図る。
    〇教育研究支援(研究費、在外研究)の充実(A)

4 教員・教育組織に関する目標・計画(教員人材確保、FD)

  1. 教員組織の編成方針を見直し、策定する。
    ●教員編成方針を見直し、改善し、長期計画及び改組転換計画に基づいた採用と教育課程の改革に対応した教員組織の検証と見直し(E)
    〇女性教員の割合を50%に近づくように努める。実務家教員の割合は30%を目途。教員の年齢構成の是正、50歳以下の教員の割合を増加させるよう努める(E)
  2. 教員の教育力の向上システムの充実を図る。
    ●FD等による教育方法の改善により教員組織を活性化(E)
  3. 教員業績評価の充実を図る。
    ○教員業績評価の処遇への反映(E)

5 学生の支援に関する目標・計画

  1. キャリア支援体制を充実する。
    ●キャリア支援体制の検証と改善(A)
    ●新たな就職支援イベントの実施(親和公務員塾など)(A)
    〇企業との連携の強化(地域企業へのバスツアーなど)(A)
    〇留学生の就職支援の拡充(A)
  2. 学生生活支援体制を充実する。
    ●学生生活支援体制の検証と改善(A)
    新型コロナウイルス感染症への対応も含めた新たな給付型奨学金を導入(A)
    〇障がいのある学生の支援策の充実(A)
  3. 学生の健康管理体制を充実する。
    ●学生の健康管理体制の検証と改善。特に新型コロナウイルス感染症の心身への影響について学生相談体制の充実(A)
  4. 課外活動支援体制を充実する。
    ●課外活動支援体制の検証と改善(A)
    ●強化スポーツクラブの充実

6 学生の受入れ(入試)の実施に関する目標・計画

  1. 入試制度の改革・改善、情報提供の充実を図る。
    ●入学者選抜方法の見直し・改善など入試制度の改革・改善・簡素化及び、受験生への情報提供の充実(D)
    ●入学定員1.1倍の学生の確保(D)
    ●2024年には在籍者数170人を目標とした留学生の受け入れ(国内の日本語学校からの積極的な受け入れ)。(D)
    〇受験生が理解しやすいアドミッションポリシーへの見直し(D)
    〇入試データの整備と有効活用(D)
    兵庫県内を中心とした募集活動及び認知力強化(D)
    アドミッションコミュニケーターとの連携(D
    コロナ禍に於ける入学試験の在り方(D)
  2. 多様な広報活動を展開し、募集活動の強化を図る。
    ●計画的、戦略的な広報活動の展開(D)
    ●明確な出口イメージの発信(親和保育者養成塾、親和公務員塾)(D)
    高大連携(高校における継続的な出前授業、教育プログラムの提供)(D)
    「先生になるなら、親和!」の再PR(D)
    ●SNSを活用した広報の展開(D)
    ●協定校、スポーツ協定校への学生募集活動の強化・拡充の再検討(D)
    ●高校訪問の成果の検証と改善(D)

7 教育研究環境の整備に関する目標・計画

  1. 学生の成長を促す教育研究環境等の整備・拡充を図る。
    ●学生の成長を最大限支援するよう教育研究環境等を整備・拡充(AB)
    電子資料を含めた図書館資料の拡充(AB)
    学生のICT活用能力を向上、学びの深化を目的としたWi-Fiやネットワークの整備、 増強、教室環境の整備・拡充(AB)
    ※学園デジタル教育推進事業
    〇ラーニングコモンズの利用拡大(A)
    ●女子大にふさわしい学習環境の整備(A)
    ●新型コロナウイルス感染症予防対策の充実
  2. 地域貢献、大学スポーツの振興を図る。
    ●スポーツセンターを拠点とした大学スポーツの振興、地域貢献 、地域連携センターによる地域貢献事業の展開(B)
  3. 世界基準の教員養成拠点として基盤強化を図る。
    〇世界最先端の大学教育学部・附属校園と教育・研究に関するネットワークの構築(C)
  4. グローバル化に対応できる国際人育成のための教育環境を創出する。
    ●国際人育成のための教育環境の整備(C)。
  5. 大学において研究倫理遵守の取組を進める。
    〇規程に則り研究倫理遵守の取組を遂行、再確認(A)

8 社会連携・社会貢献に関する目標・計画

  1. 自治体、企業、NPOとの連携・協働を推進する。
    ●自治体、企業、NPO、学校との連携・協働を推進する学内体制の強化(B)
    ●神戸市北区、神戸電鉄、親和スポーツネットとの地域貢献事業の協力実施(子育て支援)(B)
    ●姫路ヴィクトリーナ、フェリシモなどとの企業連携事業の展開(B)
  2. 地域住民の生涯学習機関としての機能を拡充する。
    〇公開講座やリカレント教育の展開により、地域住民の生涯学習機関としての機能の拡充(B)
  3. 高等教育機関としての機能強化を図るため、大学間連携を推進する。
    ●海外の大学も含め国内外大学間連携の推進・強化(C)
    大学間教育連携プログラムの充実(科目等履修制度を含む)(C)

9 大学の運営に関する目標・計画(E)

  1. 機動的な大学運営ができるようPDCA実施体制により大学運営の改善改革を図る。
    ●運営組織を検証し、ガバナンス体制を強化・改善(E)
    〇委員会の整理・合理化(E)
  2. 適正な教職員数の確保を図る。
    ●適正な教職員数と人件費支出計画の策定(E)
  3. 計画的かつ機動的な広報を行う。
    ●広報に関する方針を策定し、機動的な広報の展開(E)
  4. 教職員の資質向上を図るため研修を充実する。
    〇教職員研修の計画的実施(E)
  5. 大学の運営を支える事務組織を整備する。
    ●事務組織の検証と改善(E)
  6. 人権および個人情報保護の対策を強化する。
    〇教職員の人権および個人情報保護に関する体制の検証と改善(E)

10 大学の財務に関する目標・計画(E)

  1. 安定的な財務運営を図る。
    ●的確な見通しに基づく財政計画の策定(E)
    ●財務関係比率の改善(人件費比率の減少等)(E)
    〇大学の運営に必要な財政基盤の確立(E)
    ●寄附金募集活動の強化(E) (55周年募金活動)
    〇研究資金等の外部資金を獲得(E)

11 内部質保証の体制に関する目標・計画

  1. 社会への説明責任としての内部質保証のための体制を整備する。
    ●内部質保証のための体制整備(E)
    ●IRデータの有効活用(E)

12 同窓会との連携に関する目標・計画

  1. 同窓会との連携強化を図る。
    ●同窓生相互のネットワーク強化(E)
    ●同窓会との定期的な連絡会の開催(E)
    ●同窓生の生涯学習の機会強化(B)
    〇同窓生の在学生へのキャリア支援(B)

2. 事業費予算
(単位:百万円)
事業区分 大学部門
予算
事業費予算の内訳
教育研究
経費支出
管理経費
支出
施設設備
関係支出
 教育研究関係 105 102 0 3
 学生募集関係 78 1 77 0
 国際交流関係 29 29 0 0
 地域交流関係 12 12 0 0
 図書館関係 47 36 0 11
 情報処理教育関係 74 64 0 10
 学生福利厚生関係 225 221 2 2
 スクールバス・寮関係 63 0 63 0
 施設設備維持管理関係 180 154 9 17
 その他の事業 86 38 26 22
 管理運営関係 110 67 38 5
小計 1,009 724 215 70
 通信教育部関係 50 35 14 1
 附属幼稚園関係 36 31 3 2
小計 86 66 17 3
合計 1,095 790 232 73

 

親和女子高等学校・親和中学校の事業計画】

1. 基本方針

1.現状分析・認識

  教育は変革の時期を迎えています。新学習指導要領が導入されるとともに、大学入試が変わり、英語教育も変わります。学校教育は、「知識の習得」を中心とした従来の学習から、「知識の活用」を目指すスタイルへと大転換を迫られています。言うまでもなくこの背景には「AIの発展」や「グローバル化」という急激な社会の変化があります。同時に、科学技術の発展によって世界は目まぐるしい変化を続けています。2030年頃には第4次産業革命とも言われるIoTやビッグデータ、AI等をはじめとする技術革新が一層進展し、社会や生活を大きく変えていく超スマート社会(Society5.0)の到来が予想されています。「10年?20年後には日本の労働人口の約49%が人工知能やロボット等で代替可能に」なると言われている一方で、これまでなかった仕事が新たに生まれることが考えられます。また、あらゆる場所でグローバル化は加速し、情報通信や交通分野での技術革新により、人間の生活圏も拡がっています。また、世界の国々の相互影響と依存の度合いは急速に高まっており、地球規模の人類共通の課題も増大しており、それらの課題解決に積極的に取り組むことも求められています。
 このような社会を生きていく、あるいは創造していく子ども達には、社会の変化に柔軟に対応し、主体的に判断し行動する力や、答えのない課題に対して納得解や最適解を見出す力など、変化の激しい時代、先行きの読めない時代を生き抜くために必要な力・人間力が求められています。
 そのような中、児童の数は年々減少し、依然として厳しい状況が続いています。さらに地域によっては公立志向、また共学志向は依然として根強く、私立女子校にとっては厳しい外部環境が続いています。
 関西圏の中学入試の動向は、新型コロナウイルス感染症による経済状況の悪化が心配される中、休校期間中の対応について、私学の教育への関心が集まったことも影響し、私学志向は昨年並みの状況を維持しています。2021年度入試においても、兵庫県下の私学36校の集計では、入試初日午前の志願者は5,384人で、昨年度5,341人よりも43人増加しており、この時点では、新型コロナウイルス感染症の影響はなかったと言えます。ただし、当日の欠席者が315人と90人増加しており、新型コロナウイルス感染症が何かしらの影響を与えた可能性がなかったとは言い切れません。次年度以降の経済状況の悪化がどこまで私学の入試に影響を与える可能性があるのか、今後も気がかりな状況が続きます。
 近年の傾向として、年々、安定し志願者を集められる学校と苦戦する学校群が明確に分類されつつあります。大学入試改革やその先の社会で必要とされる力を身につける環境として私学志向が高まっている中で、時代に即応した教育を実践する学校として、社会的評価を受け、本校も前者として認知されるべく学校改革、教育改革を進めていく必要性を痛感しています。
 一方で、関西圏でも大学附属校の人気は安定しています。先行き不透明な大学入試改革への不安や、大学定員の厳格化による人気大学の難化などにより、早い時期から大学までつながる環境を考えている保護者が増えているためです。
 このよう中にあって、本校では、国際交流の拡充や、ICTを活用した教育の充実、探究学習や新大学入試への対応など新時代をたくましく生き抜く力の育成を図っています。
 そして、私学として児童・生徒・保護者にとって魅力ある教育を提供するため、今後中長期計画を構想しその認識のもと、2021年度の事業計画を策定します。

2.将来ビジョン

 本校では建学以来、常に社会の変化に柔軟に対応し、教育改革を行い、その時代において、自立し、社会で活躍できる女性を育成することを目指して教育を行ってきました。社会の変化や環境は急激に変貌し、特に現代社会ではAIやIoTなど様々な技術の発達により、なお一層、目まぐるしく変化し続けています。社会が変化すると、求められる人材や必要な知識・能力も変化します。その変化に対応できる力を持った人材を育成するには、時代の変化に応じ、教育の内容を変えていく教育改革が必要となります。
 今、社会はかつてない激しい変化の時代に突入しています。中学1年生が卒業する6年後の社会すら想像ができない時代です。子どもたち一人ひとりが、予測できない変化に受け身で対処するのではなく、主体的に向き合って関わり合い、その過程を通して、自らの可能性を追求し、よりよい社会と幸福な人生の創り手となる力を身に付けられるようにすることが一層重要となっています。このような時代をたくましく生き抜く生徒を育成するために、本校も不断の改革を進めていく必要があります。
 今、共学志向の中、133年の歴史と伝統を有する本校が今後も女子校の本流を存続し、女子校をリードしていくためには、新しい女子校の魅力、イメージを打ち出すとともに、教育制度が変化していく中、新たなコースの開設なども視野にいれながら、学校のあり方そのものについて、あらゆる可能性について検討する必要があります。併せて、既存の生徒募集市場への広報活動の拡充や、新たな市場開拓のための広報戦略も必要です。
 親和女子高等学校・親和中学校は建学の理念を堅持し、さらに発展するために将来ビジョン(目指す学校像)を以下のように設定します。

  1. 親和の良き伝統を継承しながら、時代の変化に対応した新しい教育的価値を不断に創造し続ける学校を目指す。
  2. 中高一貫教育の特色を生かし、質の高い教育を展開する学校を目指す。
  3. 生徒の学びの居場所が保障され、保護者が安心して預けられる学校として社会的評価の高い学校を目指す。
  4. 生徒の多様な能力、可能性を引き出す柔軟な教育課程の整備と学力に応じた教育を提供する。
  5. 社会の変化に柔軟に対応し、ICT教育やグローバル教育を推進する。
  6. 変化の激しい社会をたくましく生き抜く力の育成を図る。
  7. 女子校としての新しい魅力を構築する。
  8. 新コース設置等、学校改革について検討を行う。 

3.建学の理念・精神

 明治20年、1887年、校祖友國晴子は女子に教育は必要ないという時代にあって、女子の教育の必要性を説き、親和女学校を再興しました。爾来、本校はこのときの建学の理念・精神を忘れることなく133年の歴史を歩んできました。
 その理念・精神はこれからも変わることなく継承していかねばなりません。

  1. 「誠実・堅忍不抜・忠恕温和」を校訓として、豊かな人間性を育む。
  2. 広い視野と知識を持ち、国際社会において主体的に活躍できる女性を育成する。
  3. 他者を理解し、他者と協働して、国際社会の課題解決に取り組む女性を育成する。

4.教育方針

 現代の社会は知識・技能基盤社会であり、新しい知識・情報・技術が社会のあらゆる領域での活動の基盤として重要です。この知識・情報・技術をめぐる変化は、加速度を増し、さらにグローバル化の進展等によってひとつの出来事が広範囲かつ複雑に伝搬し、社会の変化を正確に予測することはますます困難になっています。
 このような状況下において、社会が求める知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性の涵養といった資質・能力を身につけることはもちろんのこと、人生100年時代をより豊かに生きるため、生涯にわたって自ら学習し、自己の能力を高め、働くことや地域や社会の課題解決のための活動につなげていくことが必要です。
 また、変化の激しい時代を生き抜いていくためには、生涯にわたって質の高い学びを重ね、それぞれの立場や分野で成長し、新たな価値を生み出し、輝き続ける力を身につけることも求められます。その際、溢れる情報の中から必要な情報を読み取り、進歩し続ける技術を使いこなすことができるよう基本的な情報活用能力を身につける事も重要です。
  1. 夢と志を持ち、可能性に挑戦するために必要となる力(確かな学力・豊かな心・健やかな
    体等)を育成する。
  2. 基礎的・基本的な知識・技能と思考力・判断力・表現力等、主体的に学習に取り組む態度を
    育成する。
  3. 確かな学力を身につけさせ、数理的理解力及び情報運用能力を育成する。
  4. 主体的に変化に対応しつつ、学んだ知識・技能を実践・応用する力、更には自ら問題の発見・解決に取り組む力を育成する。
  5. 他者を尊敬し、他者と協力して、物事を達成する態度と能力を育成する。
  6. 伝統と文化を尊重し,国際社会の平和と発展に寄与する態度や、主体性・積極性、異文化理解の精神等を身につけてグローバルに活躍できる人材を育成する。

5.教育目標

上記の教育方針を実現するために、以下のように教育目標を設定する。
「学力」と「国際力」、「人間力」を兼ね備え、新しい時代を切り拓く個性豊かな生徒を育成する。

  1. 人間力の育成
    人としての心を育み、個性豊かで探究力に富み、将来を切り拓く生徒を育成する。
  2. 学力の育成
    基礎的な学力に加え、思考力・判断力・表現力や探究力を持つ生徒を育成する。
  3. 国際力の育成
    変化する世界の動向を見据えたグローバルな視点と能力を持った生徒を育成する。
  4. 情報力の育成
    先導的なICTリテラシーを培うとともに、世界に情報を発信できる生徒を育成する。

6.教育内容

  1. 新学習指導要領に基づく教育課程の編成・シラバスの作成を検討する。
  2. 新時代を生き抜く力を育む教育を推進するため、思考力・判断力・表現力、主体性・多様性・ 
    協働性の育成をめざし、「探究学習」の充実、「アクティブラーニング」を推進し、ICT機 
    器やアプリケーションを活用した授業の推進を図る。また、生徒の多様な力を育成するため
    の教育システムを構築する。
  3. 進路実現のためのプロセス(コース制)を見える化し、各コースの特色ある教育プログラム
    の検証により、コース新設の検討ならびに再構築、プログラムの再構築を行う。なお、2020
    年開設の国際コースについて、より特色化をめざしコース内容の充実を図る。
  4. 新型コロナウイルス感染拡大防止による休校期間に培った、新しい指導方法や新しい学習の取り組みをいつでもより効率的に実施するシステムを構築する。

7.教員組織

  1. 適正な人件費への改善に努めるとともに、新コース等を踏まえた今後の教員採用計画の策定する。
  2. 少子化による難しい局面での学校経営を乗り切るため、校長のガバナンス機能の強化を図ることを目的に、副校長、教頭の役割を明確にし、新たに特命業務の職責を担う校長補佐を配置する。
  3. 教員個々の資質及び指導力の向上のために職員研修を実施する。また、授業力向上のため、授業評価アンケートを活用し授業改善に努めるとともに、研修の一環としての他校との人事交流研修制度を策定する。
  4. 教員の人事考課(目標管理評価・行動評価)制度を整備する。
  5. 国際コースの生徒をはじめ、全生徒が身近にかつ主体的に英語に触れる場所として校内に 「イングリッシュルーム」を開設する。それに伴い、ALT(外国人指導助手)を増員し、学習環境の充実をはかる。

8.生徒の受け入れ(入試・広報) 

  1. 入学者の安定的確保(中学180名、高校45名)するため、中学校・塾との関係強化、中学校訪問及び塾訪問を強化する。
  2. 生徒の多様な能力を評価するにあたり、求める生徒像(アドミッションポリシー)を明確化し、小学校新学習指導要領に基づき、選抜方法の多様化と新たな評価尺度を検討する。
  3. 多様な能力を持つ生徒の確保するため、多様性選抜入試を拡充し、海外帰国子女入試の周知、定着、日本人学校含む指定校推薦提携校、連携協定校(首都圏等)の拡充に努める。
  4. コースの特長と6年後、3年後の進路目標を明確に伝えること、成績向上のためのプロセスを見える化(チャート化)することで、生徒・保護者が選択しやすくする環境を整える。
  5. 転編入の機会を随時設けることとし、弾力的に生徒の受け入れを行う。
  6. 校募集の認知の向上に努めるとともに、安定した入学者を確保するためのコースや類型等、多角的な視点から構想を進める。 高校に新たに設置する新コース「特進Bコース(仮称)」の内容(求める生徒像、目指せる進路、教育課程等)を明確にし、わかりやすく内外にアピールできるよう、工夫を重ね、積極的な広報活動を展開する。
  7. 校に興味・関心をもってもらえるようなイベントの実施を通じ、本校と関わる児童・生徒、保護者を増やす工夫をする。特に、地元からの来校者の増加につなげるイベント 等企画する。特に、バレーボール部を強化クラブとしていることを広報し、連携している(株)ヴィクトリーナ姫路の協力を得て、実践的な指導を本校で受けられることを周知していく。
  8. 本校の取り組みや情報をホームページやSNSを通じ、幅広くタイムリーに発信する。
  9. 研修会や勉強会を通じ、少子化、女子教育離れ(学校存立の危機)の現状等、本校をとりまく厳しい現状を教職員が正しく認識し、危機意識を共有し、学校経営・生徒募集に携わる意識の醸造を図る。

9.学習支援

  1. 生徒の学力等を把握し、面談等を通じて必要な学習・生活指導を行う。
  2. 電子黒板など、ICTを活用した教育の更なる推進と、個々の学力に適した指導方法を研究する。
  3. ラーニングコモンズルームや自習室等の積極的な活用を促すとともに、外部講習や教員、先輩チューターによる個別指導を推進する。
  4. イングリッシュルーム設置により英語力、国際力の向上を図る。
  5. スマホの利用が一般化する中、利用に関するモラル・マナー教育、正しく安全な利用指導を徹底する。
  6. 海外留学プログラム参加助成、入学時の学習奨励奨学金等、経済的な側面から学習支援を行う。
  7. 生徒の多様性、学力の格差に対応すべく、AI教材やタブレットを活用した学習支援アプリケーションを活用した個別最適化の学習支援を推進する。
  8. 進学校としての進路実績を保ち、向上させるため、中学段階において、難関国公立大・私立大学への合格を支援する、予備校との連携による特別進学講座を開講する。

10.進路指導

  1. 難関国公立大(東京阪神等) 現役10名・現浪20名、医学部医学科現浪5名、難関有名私大(関関同立等)には、現役延べ100名の合格を目標とする。
  2. 進路目標を達成するため、予備校との連携による特別進学講座や外部講師による親和ゼミ  及び英検対策講座を開講する(平日放課後、長期休業期間中に実施を予定)。
  3. 路目標を確固としたものにするために、難関大学見学ツアー、東京キャピタルツアーなど、生徒のモチベーションアップにつながる機会を検討し、実施する。
  4. 今後の新大学入試への対応するため、 記述式問題への対応、英語4技能の向上、思考力・ 判断力・表現力とともに主体性・多様性・協働性の育成、高校時代の活動履歴の充実(ポートフォリオ)を意識的に取り組む。また、読解力向上のため、速読プログラムを導入する。
  5. 神戸親和女子大学、関関同立大等との高大連携プログラムを検討する。

11.国際教育

  1. 国際コース開設に伴い、新しい留学スタイル(生徒の希望する国・期間を選択し留学先を決定)を実行する。なお、実行にあたっては、安全面・効果の両面からのスムーズな導入を目指す。
  2. 海外研修の効果検証と、他の効果的なプログラムの開発研究を行う。
  3. 新型コロナウイルス感染対策により、留学が制限される中、オンライン授業を活かした取り組みで、新しい学習スタイルとして、海外とのコミュニケーションの機会を企画、実施する(西オーストラリア大学、東北師範大学附属中学等)。

12.学校運営

  1. よりよい学校づくりのため学校評価制度を確立し実行する。
  2. 卒業生、生徒・保護者のニーズや意見を把握し、検証・評価・改善に努める。
  3. 学校安全計画を策定し実行する。
  4. 第3次10年構想5ヵ年計画に基づくアクションプランを実行する。
  5. 財政健全化の観点から、支出抑制に努める。
  6. 適正な労働管理(時間外勤務・休日勤務の抑制、有給休暇の取得促進)を行う。
  7. 部活動の計画的かつ適正な実施を管理する。
  8. 学校環境の改善に努める。
  9. 部活動支援等、大学との連携を推進する。
  10. 育友会、汲温会との連携協力を強化する。
2. 事業計画

1. 新規及び重点計画

  1. 新しい体制の下、改善が必要な短期的課題を中心に積極的に教育改革を実行する。また、中長期的な視点から、本校の将来像についての活発な議論を展開し、具体的方策を探り、実行計画を立てる。
  2. 新型コロナウイルス感染症の収束を睨み、国際コースプログラム、海外研修プログラム、及び海外留学の確かな実施、また国内でも本校国際交流活動(オンライン活用含む)の一層の充実を図る。
  3. 中学入試・高校入試において、多様性選抜を更に推進し、「スポーツ・芸術・文化枠」選抜を拡大する。また、帰国子女入試については、オンラインによる選抜を行い、海外現地での入試を引き続き実施する。
  4. 上記に関連し、バレーボール部の強化指定について、安定的な運営体制の構築と今後に  向けての更なる強化を推進する。また、今後の生徒募集を見据え、新コース、多様性選抜    入試と連動し、外部指導者を活用した新たな部活動の運営体制も検討する。今後は他の部についても、大学とも連携し、段階的に可能性を探る。
  5. 高校全学年にタブレット端末を導入、中学全学年に学校のタブレットを貸与する体制を整えた。今年度、電子黒板と併用したICT教育の充実をさらに進め、多彩な授業展開を図るとともに、学習支援アプリケーションを活用し、家庭学習支援など多様な学習支援を行う。
  6. 高校1年・2年対象にオンライン英会話の授業を実施、英語4技能の向上を図る。
  7. ラーニングコモンズルーム・自習室の活発な活用を図り、学生チューターの活用など、生徒の主体的な学習活動を支援する。主に学習支援が必要な生徒対象に、予備校連携進学講座の開講に向けて、実施可能な方策を検討する。
  8. 外部の大学受験専門講師による特別講座を開講し、有効な活用を目指して、生徒の学力向上を支援する。主により高度な学習レベルを求める生徒対象に、予備校講師による特別講座を実施し、意欲と学力向上に努める。
  9. 新時代をたくましく生き抜く力を育成するために、全コースにおいて「探究」授業を実 施し、主体性・多様性・協働性の向上を図る。高校では、課題研究の公開発表を行う。
  10. アクティブラーニング等研究委員会を一層充実させ、教員の授業公開や研修会を実施し、新大学入試や新学習指導要領への対応を図るとともに、生徒による授業評価の改善により教員の授業力向上を目指す。
  11. 地域貢献活動として、灘区と連携し、地域住民のための公開講座や児童・保護者を対象にスポーツを通じたクリニックなどを積極的に企画・実施する。
  12. 2021年度より、イングリッシュルームを開設し、生徒が英語に興味関心を持ち、英語に自ら触れる機会をつくり、学習環境の充実をはかる。

2. 教務関係

  1. コースのプログラムの検証と改善
  2. 全コースでの探究授業の実施、探究発表会の実施
  3. 新学習指導要領に準拠した教育課程の研究・構築
  4. コース目標、生徒の学力推移状況に最適なカリキュラムの研究・構築
  5. コース・類型の編成、習熟度編成等の研究・構築
  6. ECC外語学院(業務提携)による英会話授業の実施
  7. タブレットを活用したオンライン英会話授業の実施
  8. 大学入学共通テスト、新傾向の大学入試に即応できる授業力向上、教材等の選定、教育   課程の検討・構築
  9. 速読、学習支援アプリ等、タブレットを活用した新しい学習スタイルの定着(休校時、    非常時に学習継続できる体制を整える)
  10. アクティブラーニング型授業の推進と授業評価アンケート、公開授業・研修会による授業改善の推進
  11. キャリア教育の充実

3. 国際理解・国際教育関係

  1. ニュージーランドホームステイ研修
  2. オックスフォード大学英語文化研修
  3. 異文化探究研修
  4. メルボルン短期交換ホームステイ研修
  5. 中国東北師範大学附属中学、海寧市紫微初級中学、西オーストラリア大学との交流
  6. 中長期留学制度
  7. 留学期間等の縮小に対応した学習の確保
  8. 第2外国語の授業増(グローバルな視点の育成)
  9. イングリッシュシャワーの提供(ALTの増員、イングリッシュルームの開設)

4. 研修旅行関係

  1. 高2研修旅行 (シンガポール・マレーシア)
    ※ 2021年度は新型コロナウイルス感染対策として国内研修に変更を計画
  2. 中3宿泊旅行 (沖縄)
  3. 高1スキー訓練(長野)

5. ボランティア関係

  1. ワークキャンプ(福祉体験学習)
  2. 市民救命士講習会(中3全員対象)
  3. 募金活動(あしなが募金、海外たすけあい募金、赤い羽根共同募金(灘区との協定))
  4. 献血協力キャンペーン(文化祭・HR等)
  5. 青少年赤十字活動(JRC)例会・トレーニングセンター
  6. 保育体験(中2全員対象、高1・高2希望者)
  7. 看護介護体験(高1・高2希望者)
  8. 児童館で子どもの遊び相手ボランティア(灘区との協定)

6. 公開学校行事   文化祭(5月3日)、体育祭、音楽会

7. 進路指導関係

  1. 進路説明会の実施、個々の大学説明会の実施
  2. 京大、阪大、神戸大各キャンパスツアーの実施
  3. 高1・高2対象「夢ナビLIVE」の参加
  4.  キャリア教育:社会人講演会の実施、エナジードの導入
  5. e-ポートフォリオ
  6. 親和ゼミ(受験対策の講習)
  7. 英語検定対策 外部講習(英検2級・準2級講座)
  8. 主に学習支援が必要な生徒対象の放課後学習講座の導入の検討
  9. 主により高度な学習レベルを求める生徒対象の予備校特別講座の実施

8. 保健・衛生関係・カウンセリング

  1. 生徒健康診断(4月〜5月)
  2. 性教育講座(講演会、セミナー)中1、中2、中3対象
  3. カウンセリングルーム

9. 生徒募集

(1)中学募集

  1. 中学入試説明会・個別相談会、オープンスクール
  2. プレテスト
  3. 塾訪問(進学塾・英語塾)
  4. 強化クラブの体験会
  5. 小学生対象英検資格取得のための学習会の実施

(2)高校募集

  1. 中学校、塾等への広報活動及び保護者向け説明会
  2. 学校説明会・個別相談会、オープンスクール
  3. 塾訪問、及び中学校訪問
  4. 新コースの周知と積極的な広報

(3)連携

  1. 須磨浦小学校・中華同文学校との指定校連携強化
  2. 上海日本人学校・バンコク日本人学校等日本人学校との指定校連携強化
  3. その他連携校・日本人学校の開拓
  4. 地域連携の推進

10. 保護者対象事業

  1. 思春期セミナー
  2. スマホ使用に関する講習会
  3. 市民救命士講習会

11. 汲温会(同窓会)、育友会との連携

  1. 汲温会主催の茶道・華道教室(隔週水曜日、汲温会館茶室)
  2. 文化祭への参加及び協力(育友会バザー・汲温会バザー等)
  3. 汲温会員の指導による中学生及び国際コース生徒への茶道教室 
  4. 海外からの訪問者への茶道教室
  5.  汲温会寄付により設置したイングリッシュルームの披露会

12. その他

  1. 教育振興基金(募金活動)の継続
  2. 防火・防災訓練の実施
  3. 職員研修(入試動向、人権・いじめ対策、授業力向上等)の実施
3. 事業費予算
(単位:百万円)
事業区分 高・中部門
予算
事業費予算の内訳
教育研究
経費支出
管理経費
支出
施設設備
関係支出
教育研究関係 161 161 0 0
生徒募集関係 14 0 14 0
国際交流関係 3 3 0 0
地域交流関係 0 0 0 0
図書館関係 4 3 0 1
情報処理教育関係 3 3 0 0
施設設備維持管理関係 36 7 0 29
スクールバス関係 31 0 31 0
管理運営関係 17 0 17 0
合計 269 177 62 30

 

【法人の事業計画】

1. 基本方針

各設置学校の教育研究活動の活性化と充実を図るために、その前提となる財務基盤の確立と人材の育成及び教育環境の整備を法人部門の基本方針とする。

2. 重点施策
  1. 第3次10年構想5ヵ年計画の実施
  2. 第3次財政改善計画の実施
  3. 親和学園教育振興基金の戦略的、組織的募集
  4. 私学法改正に基づく理事・監事の役割・機能の強化
  5. 高中教員の評価制度の構築及び研修の実施
  6. 理事会、常任理事会、学園経営会議、学園広報委員会における経営戦略及び広報戦略の策定
  7. 各設置学校における教育職員、事務職員の研修の推進と助成
  8. 世界の学校及び大学との連携協定を結び、交流を発展・進化させる。
  9. 自治体・企業・団体・国内外の大学・学校との連携協定の推進
  10. 親和教育研究所の発展的運営
3. 個別の案件に取組むための特別プロジェクトを設置
  1. 財政健全化を促進するための「財政健全化プロジェクト」の設置(大学)。
  2. デジタル教育を推進するための「デジタル推進プロジェクト」の設置(学園)。
  3. 学生確保のための「学生確保推進プロジェクト」の設置(大学)。
  4. 将来の教育構想を検討するための「将来構想検討プロジェクト」の設置(高中)
4. 事業費予算
(単位:百万円)
事業区分 法人事務局
予算
事業費予算の内訳
教育研究
経費支出
管理経費
支出
施設設備
関係支出
管理運営関係 37 0 37 0
合計 37 0 37 0

【事業費予算の部門別内訳】

(単位:百万円)
事業区分 法人計 部門別内訳
大学 高校・中学 法人
教育研究関係 266 105 161 0
学生生徒募集関係 92 78 14 0
国際交流関係 32 29 3 0
地域交流関係 12 12 0 0
図書館関係 51 47 4 0
情報処理教育関係 77 74 3 0
学生生徒福利厚生関係 225 225 0 0
スクールバス・寮関係 94 63 31 0
施設設備維持管理関係 216 180 36 0
その他の事業 86 86 0 0
管理運営関係 164 110 17 37
小計 1,315 1,009 269 37
通信教育部関係 50 50 0 0
大学附属幼稚園関係 36 36 0 0
小計 86 86 0 0
合計 1,401 1,095 269 37

 


III. 財政計画の概要

【1 2021年度予算の概要】

1.資金収支予算
2.事業活動収支予算

【2 主要財務比率の推移】

(単位:%)
  部門 2017年度
決算
2018年度
決算
2019年度
決算
2020年度
補正予算
本年度
予算
事業活動収支
差額比率
大学
(注1)
0.3 △ 3.3 △ 4.8 △ 3.9 △ 6.7
高中 △ 3.0 △ 5.4 △ 4.8 △ 4.7 0.4
全体 △ 0.6 △ 3.3 △ 5.0 △ 4.1 △ 3.6
経常収支
差額比率(注2)
大学 2.9 △ 0.5 △ 1.8 △ 1.2 △ 4.4
高中 △ 0.1 △ 1.3 △ 1.0 △ 1.2 4.1
全体 △ 0.8 △ 3.3 △ 4.9 △ 4.1 △ 3.9
人件費比率 大学 56.0 57.1 56.9 52.8 54.2
高中 71.9 71.6 71.9 70.8 67.7
全体 62.0 63.3 64.0 61.1 60.4
教育研究経費比率 大学 30.7 32.4 33.5 37.5 40.1
高中 21.9 23.8 23.7 24.9 22.9
全体 27.9 29.5 30.5 33.1 34.2
管理経費比率 大学 10.1 10.7 11.0 10.5 9.7
高中 5.6 5.4 5.0 5.3 5.2
全体 10.5 10.1 10.0 9.6 9.0
学生生徒等
納付金比率
大学 85.2 86.9 86.2 83.8 84.2
高中 64.2 63.3 64.0 63.5 65.3
全体 77.8 79.0 78.6 74.3 74.9

(注1) 大学は幼稚園を除く
(注2) 経常収支は、法人経費計上前の数字
(注3) 令和2年度版「今日の私学財政」より ※高中は2018年度の数字

「大学」

  1. 全大学:医療系除く
  2. 規模別分類:在学生数1,000〜2,000人未満
  3. 系統別分類:文他複数学部

「高中」

  1. 高校(大学と併設校)・規模別分類:在校生数600人未満
  2. 中学(大学と併設校)・規模別分類:在校生数400〜600人未満
  3. 1と2の平均

「全体」

  1. 大学設置法人・規模別分類:在学生数・在校生数合計 3,000〜5,000人未満

財務比率の計算式は次のとおり。

  • 事業活動収支差額比率 基本金組入前当年度収支差額÷事業活動収入
  • 経常収支差額比率 経常収支差額 ÷ 経常収入
  • 人件費比率 人件費 ÷ 経常収入
  • 教育研究経費比率 教育研究経費 ÷ 経常収入
  • 管理経費比率 管理経費 ÷ 経常収入
  • 学生生徒等納付金比率 学生生徒等納付金÷経常収入


〒657-0022 神戸市灘区土山町6番1号 学校法人 親和学園