当事業年度の私立学校経営を取巻く状況は、少子化にともなう志願者数の減少、公的な私学助成の削減の動き、世界的規模の金融危機による金融市場の混乱(資産運用)や企業・家計の実体経済への波及(新卒の採用減、学費の滞納)など、激しく変化した環境にあったといえます。
このような事業環境の中で、本学園の各設置学校は、おかれている状況を端的に言えば学生生徒募集の困難さに集約されるという認識をして、改革に取組みました。
神戸親和女子大学においては、本学の他の大学にはない強み(コア・コンピタンス)を特定して、それを改革の出発点としております。
親和女子高等学校・親和中学校においては、習熟度別授業やコース制に加え、さらに徹底した改革の必要性から「親和成長発展プロジェクト」を立ち上げ、教育活動の全面的再点検を行っております。
教職員の積極的な改革への取組みが、学生生徒募集活動に奏功し、定員確保はできているものの財政面では改善すべき課題があります。
教学と経営・財政を融合する視点に立って、流動性と運用収入を確保するという資産運用の基本方針に従い、近時は、運用環境の変化等もあり多様な金融派生商品による運用で過年度までは、一定の成果を挙げてまいりました。しかしながら、当事業年度の半ば以降、規模・速度ともに急激な金融市場の変動の影響を蒙り、本学園が抱える財政上のリスクが膨らみました。このような事態に直面しましたが、教育研究活動の基盤となる流動性を保持し、不透明な金融市場の変化による将来リスクを遮断するため、デリバティブ契約による運用取引を解約・清算し教育研究活動に支障を来たさない態勢を整えました。
解約・清算の過程で生じる本学園財政の歪みの大きさと現実を厳粛に認識し、教学と経営・財政計画を一体化した『財政健全化』指針を策定しました。その目標達成に向けて、役員と教職員がこの指針を共有し、着実に実施に移してまいります。
財政健全化目標の達成は従来の経営・財政収支の延長線上にあるのではなく、新しい時代に備えて学園全体として改革を推し進めることにあります。
学園の特長を明確にして、長期的に持続可能な存在感と優位性を構築し、教育目標に向かって真摯に取組んでまいります。
|
|
(1)建学の理念・教育目標
校 訓 |
・誠実を旨とし、言行に表裏なからむことを期すべし
・堅忍不抜の精神を持し、以って婦人の天職を尽くすべし
・温和従順の徳を本とし、忠恕の道を完うすべし |
○親和女子高等学校・親和中学校の教育目標
明治の半ば、いまだ男尊女卑の風潮が根強く、中等教育を受ける女子のまれな時代に、校祖友國晴子は、いち早く女子教育の重要性を見抜き、親和学園の礎を築いた。
本校はその創立以来、新しい時代にふさわしい教養ある自立した女性の育成を目指し120年を経て現在に至る。
女性の社会進出が著しい今日にあってもなお、女性のおかれた社会状況は厳しく、また、社会構造や生活様式の急速な変化に伴い、家庭・地域の教育力の低下が進むなかで、女性に求められる役割はますます重要性を増している。学力のみにととまらず、コミュニケーション能力、忍耐力、公共心などを備えた人間的な総合力の育成が急務である。
本校は、そのような時代の求めに応じ、女性として豊かな人間形成に主眼を置く全人教育を推進することにより、次のような女性の育成をめざす。
- 良識を持ち、さまざまな場面で自らの役割りを理解し、責任を全うすることができる女性
- 広い世界観と積極的な行動力を持ち、社会に貢献できる女性
○神戸親和女子大学
(1) 大学設立目的
本学は、社会の発展方向を広く視野におき、総合的判断力をもち、主体的に社会に対応できる人間を育成することを教育理念とする。
(2) 学部・学科の目的
学部・学科 |
学科の目的 |
文学部 |
総合文化学科 |
日本語運用能力・英語コミュニケーション能力を高め、異文化間の双方向的な交流・活動を行うことができる人材を育成する。 |
発達教育学部 |
児童教育学科 |
子どもの教育と発達に関する専門的知識と技能をもった実践力のある人材を育成する。 |
心理学科 |
心理学の専門知識に基づき、多様な現代社会において、自己および人々の心の健康と生産的な人間関係の構築に貢献できる人材を育成する。 |
福祉臨床学科 |
社会福祉に関する専門知識と技能をもった人材、とりわけ、人々と共生の福祉の心をもった人材を育成する。 |
ジュニアスポーツ教育学科 |
子どもの抱える発達と教育の諸問題に対応できる専門知識と技能を有し、学校や地域社会においてスポーツ教育を担う人材を育成する。 |
教育学専攻科 |
教育学専攻 |
学部における教育・研究の特色を生かしながら、さらに精深な知識を獲得し、かつ専門的研究を深める。 |
大学院 |
心理臨床学専攻 |
臨床心理学及びその基礎となる心理学分野での専門的研究を深めることを通して、心の発達を支え、心のケアを必要としている人々を支援する高度専門的職業人を養成する。 |
教育学専攻 |
教育に関する深く広い知見を培うとともに、教育現場において指導的役割を担う高度な専門的知識、課題解決能力と実践力をもった人材を育成する。 |
(2)学校法人の沿革
年 月 日 |
学校法人・学校・学部・学科等の変遷 |
【1887年〜1899年】 |
1887(明治20)年 |
10月5日 |
佐々木祐誓を中心に神戸市内元町善照寺内に私立親和女学校設立 |
1892(明治25)年 |
11月2日 |
友國晴子独力にて校名だけを継承して、神戸市下山手通6丁目に民家一戸を借り、自ら校長兼教員として学校経営に尽力 |
1895(明治28)年 |
12月 |
神戸市下山手通7丁目に校舎竣工(翌年1月に移転) |
【1900年〜1959年】 |
1908(明治41)年 |
2月26日 |
私立親和高等女学校設立認可 |
|
9月12日 |
親和高等女学校 校章・校訓を制定 |
1910(明治43)年 |
7月6日 |
財団法人親和高等女学校を設立 |
1917(大正6) 年 |
5月 |
親和高等女学校 校歌を制定 |
1937(昭和12)年 |
10月25日 |
親和学園創立50周年記念式典挙行 |
1947(昭和22)年 |
4月1日 |
学制改革により、新制親和中学校を併設 |
1948(昭和23)年 |
7月21日 |
親和女子高等学校を設置 |
1951(昭和26)年 |
2月23日 |
私立学校法による組織変更が認可され、学校法人親和学園と改称 |
1957(昭和32)年 |
10月25日 |
親和学園創立70周年記念式典挙行 |
【1960年〜1999年】 |
1965(昭和40)年 |
4月1日 |
大学設置準備委員会が発足 |
1966(昭和41)年 |
4月1日 |
親和女子大学 (文学部=国文学科、英文学科)開学 |
1967(昭和42)年 |
10月25日 |
親和学園創立80周年記念式典挙行 |
1972(昭和47)年 |
4月1日 |
大学 文学部「児童教育学科」開設 |
1977(昭和52)年 |
4月10日 |
大学附属図書館竣工 |
1977(昭和52)年 |
10月27日 |
親和学園創立90周年記念式典挙行 |
1987(昭和62)年 |
10月25日 |
親和学園創立100周年記念式典挙行 |
1987(昭和62)年 |
11月22日 |
大学学生会館竣工 |
1989(平成元)年 |
3月29日 |
親和女子高等学校、親和中学校、法人本部が六甲(神戸市灘区)へ移転(神戸市中央区から) |
1994(平成6)年 |
4月1日 |
大学名を「神戸親和女子大学」に改称
「教育専攻科」設置 |
1995(平成7)年 |
1月17日 |
阪神・淡路大震災発生 中学棟被災し使用不能となる |
1997(平成 9)年 |
4月1日 |
大学 「英文学科」を「英米学科」に改称 |
|
4月5日 |
中学棟、新運動場竣工 |
1997(平成 9)年 |
11月15日 |
親和学園創立110周年記念式典挙行 |
1998(平成10)年 |
4月1日 |
大学 文学部「人間科学科」開設 |
1999(平成11)年 |
4月1日 |
大学 新スローガン・マーク・ロゴタイプ制定 |
【2000年〜】 |
2000(平成12)年 |
11月27日 |
大学 厚生省「保育士を養成する学校その他の施設」の指定
(児童教育学科) |
2002(平成14)年 |
4月1日 |
大学院文学研究科(修士課程「心理臨床学専攻」「教育学専攻」)開設 |
2003(平成15)年 |
4月1日 |
大学 文学部「総合文化学科」「心理臨床学科」「福祉臨床学科」開設 |
2004(平成16)年 |
4月1日 |
大学 教育研究センターを開設 |
2005(平成17)年 |
4月1日 |
大学 発達教育学部(「児童教育学科」「心理臨床学科」「福祉臨床学科」)の開設 |
2006(平成18)年 |
4月1日 |
大学 通信教育部(発達教育学部「児童教育学科」「福祉臨床学科」)開設 |
|
6月3日 |
大学 創立40周年記念式典挙式 |
2006(平成18)年 |
10月6日 |
大学 三宮サテライトキャンパス「ミント神戸教室」開設 |
2007(平成19)年 |
3月31日 |
大学 文学部「国文学科」廃止 |
|
7月1日 |
大学 三宮サテライトキャンパス「センタープラザ教室」開設 |
|
10月20日 |
学園 親和女子高等学校・親和中学校創立120周年記念式典挙行 |
2008(平成20)年 |
3月12日 |
大学 神戸市北区と地域連携協定を締結 |
|
3月24日 |
大学評価機関(大学基準協会)による平成19年度評価の結果、大学基準に適合と認定 |
|
4月1日 |
大学 発達教育学部(「ジュニアスポーツ教育学科」)を開設 |
|
4月1日 |
大学 発達教育学部の「心理臨床学科」を「心理学科」に改称 |
|
4月1日 |
大学 「子育て支援センター」新設 |
|
11月25日 |
大学 蘇州大学(中国江蘇省)と友好交流と学生の交換留学協定を締結 |
(3)設置学校・学部・学科等
平成20年5月1日現在
学校区分 |
学 部 |
学科・専攻 |
設置認可年月日 |
設置年月日 |
神戸親和
女子大学 |
文学部 |
英米学科 ※1 |
昭和41年1月25日 |
昭和41年4月1日 |
児童教育学科 ※2 |
昭和47年1月28日 |
昭和47年4月1日 |
人間科学科 ※1 |
平成9年12月19日 |
平成10年4月1日 |
総合文化学科 |
平成14年5月29日 |
平成15年4月1日 |
心理臨床学科 ※2 |
福祉臨床学科 ※2 |
発達教育学部 |
児童教育学科 |
平成16年11月17日
(届出受理) |
平成17年4月1日 |
心理学科 |
福祉臨床学科 |
ジュニアスポーツ教育学科 |
平成19年6月25日
(届出受理) |
平成20年4月1日 |
通信教育部 児童教育学科 |
平成18年1月31日 |
平成18年4月1日 |
通信教育部 福祉臨床学科 |
教育専攻科 |
教育学専攻 |
平成5年12月14日
(届出受理) |
平成6年4月1日 |
大学院
文学研究科 |
心理臨床学専攻 |
平成13年12月20日 |
平成14年4月1日 |
教育学専攻 |
※1:平成15年4月から学生募集を停止し、在学生の卒業を待って廃止する。
※2:平成17年4月から学生募集を停止し、在学生の卒業を待って廃止する。
学校区分 |
課程名 |
学科 |
設置認可年月日 |
創設年月日 |
親和女子
高等学校 |
全日制課程 |
普通科 |
(新制)
昭和23年7月21日 |
(私立親和女学校)
明治20年10月5日 |
親和中学校 |
全日制課程 |
普通科 |
昭和22年4月1日 |
昭和22年4月1日 |
(4)学校・学部・学科等の学生生徒数の状況
○神戸親和女子大学
(平成20年5月1日現在) (単位:人)
|
入学定員 |
収容定員 |
在籍学生数 |
摘要 |
文学部 |
60 |
285 |
290 |
|
発達教育学部 |
350 |
1,390 |
1,430 |
|
教育専攻科 |
15 |
15 |
26 |
在籍数に聴講生を含む |
大学院文学研究科 |
35 |
70 |
70 |
|
計 |
460 |
1,760 |
1,816 |
|
発達教育学部
(通信教育部) |
300 |
1,200 |
689 |
平成20年から10月入学生の募集開始 |
600 |
1,200 |
○親和女子高等学校
(平成20年5月1日現在) (単位:人)
|
入学定員 |
収容定員 |
在籍生徒数 |
摘要 |
全日制課程 普通科 |
300 |
900 |
895 |
|
○親和中学校
(平成20年5月1日現在) (単位:人)
|
入学定員 |
収容定員 |
在籍生徒数 |
摘要 |
全日制課程 普通科 |
270 |
900 |
880 |
募集定員 |
(5)役員・評議員に関すること
(平成20年5月28日現在)
理 事 |
定員 |
現員 |
氏 名 |
理 事 長 |
1名 |
1名 |
田村 晃 |
常 務 理 事 |
1名 |
1名 |
林 邦生 |
神戸親和女子大学長 |
1名 |
1名 |
山根 耕平 |
親和女子高等学校長 |
1名 |
1名 |
植野 直正 |
評議員会選任 |
7名 |
7名 |
山添 正、中藤 広、横家 恭介、山本 裕之、
大利 慶子、米津 佳子、松井 淳 |
理事会選任学識経験者 |
3名 |
3名 |
鞍本 昌男、寺尾 滋明、三木谷 良一 |
総 数 |
14名 |
14名 |
|
評 議 員 |
定員 |
現員 |
氏名 |
神戸親和女子大学長 |
1名 |
1名 |
山根 耕平 |
親和女子高等学校長 |
1名 |
1名 |
植野 直正 |
理事会推薦教職員で
評議員会選任 |
17名 |
17名 |
山添 正、中藤 広、山本 裕之、横家 恭介、
松井 淳、池田 秀央、石原 美里、柴田 茂、
m尾 哲哉、横山 ひろみ、楠井 実、河合 修、
岸田 純一、田村 薫、平瀬 恭彦、森崎 秀和、
横谷 賢 |
設置学校卒業生で
理事会選任 |
10名 |
10名 |
大利 慶子、米津 佳子、榎本 郁代、
日下 裕子、
田中 智子、野田 暢子、
志田 千恵、中西 直子、並河 京子、
宮本 佳世子 |
理事会選任学識経験者 |
10名 |
10名 |
田村 晃、林 邦生、鞍本 昌男、寺尾 滋明、
三木谷 良一、岩崎 拓治、伊良子 序、
釜本 貞夫、国広 輝代、村上 博子 |
総 数 |
39名 |
39名 |
|
(6)教職員数等に関すること
(平成20年5月1日現在) (単位:人)
区分 |
神戸親和女子大学 |
親和女子高等学校 |
親和中学校 |
法人本部 |
合計 |
教 員 |
本 務 |
75 |
41 |
29 |
― |
145 |
兼 務 |
163 |
26 |
18 |
― |
207 |
計 |
238 |
67 |
47 |
― |
352 |
職 員 |
本 務 |
70 |
11 |
3 |
7 |
91 |
兼 務 |
29 |
0 |
0 |
0 |
29 |
計 |
99 |
11 |
3 |
7 |
120 |
|
|
大学が全入と言われる時代に入り、2極分化が進むなかで、神戸親和女子大学の勝ち残りには本学の強みである教育力の高さ(入学して伸びる大学)と社会・地域貢献機能の高い大学を起点にして、教育理念・目標を共有し、オフキャンパス教育とオンキャンパス教育の融合を図ることです。
これらの戦略には、確固とした財政の基盤が必要であり、費用対効果を十分検証しながら事業の展開を進めました。
親和女子高等学校・親和中学校においては、中高大と一貫した教育体制の中で、「進学率」の確保」と「子どもの人間形成」の両立を目指し、他の学校のさまざまな改革に乗り遅れないよう教職員が一体となって取組む連帯感の大切さを共有しました。
各設置学校の、具体的取り組みの内容は、次のとおりであります。 |
【神戸親和女子大学】
- 三宮サテライト教室との遠隔双方向授業の実施および同教室での共通教育科目の開講
- 神戸4女子大学間における科目等履修の提携
(神戸女子大、神戸松蔭女子学院大、神戸海星女子学院大との提携)
- “コンクールでっせ”(日本語表現演習受講者作文コンクール)開講、作品集発行
(1)海外の大学,他教育機関との交流
- 東北師範大学(中国)とのダブルデイグリー制度に関する協定締結(7月)
- 蘇州大学(中国)との友好協定締結(11月)
- 大連理工大学城市学院(中国)との友好協定締結(平成21年3月)
- 東北師範大学(中国)から1名、ソウル女子大学(韓国)から3名、交換留学生受入
- その他海外の大学他教育機関から招聘教授、招聘研究員、招聘講演者を招聘
(2)海外研修・留学
- 海外研修 9種 学部生100名参加
海外英語研修(2)、韓国文化研修(6)、海外英語・文化研修(6)
日本語教育実習<海外>(2)、海外教育実地研究(18)、海外芸術研修(14)
海外児童英語研修(16)、海外福祉研修(13)、大学洋上セミナー2008(23)
- 特別派遣留学 学部生2名参加 アングリア・ラスキン大学(英国ケンブリッジ市)
- 海外インターシップ 卒業生3名参加 JMP(アメリカ)
- 海外研修・留学助成
学習奨励および海外研修助成を合わせ101名に支給
海外研修貸与奨学金を6名に貸与
(1)生涯学習
- 文学、文化教養講座の公開講座の発展版を、鈴蘭台キャンパスで12講座
三宮サテライトキャンパス ミント神戸教室では21講座を開講した
- リカレント講座として、「小学校英語活動セミナー」を実施した
- 心理系講座のうち、箱庭療法講座は入門編に続き、アドバンスクラスの基礎編クラスを開講した
(2)地域交流
- 地域交流プログラム
「親子おもしろ科学教室」「星空観察会」をおこなった
- キッズスポーツクラブ
課外活動の学生とゼミ生との連携をとり825名の受講生を集めることができた
「ものづくりフェステイバル2008」を実施、近隣のこどもとその保護者の入場者は213名
「キッズオープンキャンパス2008」をおこない、420名の入場者があった
- 神戸市北区との連携プログラム
「歌舞伎体験教室」をおこなった
- 図書貸出は、冊数、人数ともに減少傾向にあるが、これは携帯電話による蔵書検索や電子資料の増加によるものとみられる
- 複写は、大学紀要や学術雑誌等、論文資料の電子化の進行により減少傾向が顕著である
- 相互利用の他館への依頼件数が減り、学外者が利用する他館からの受付件数は順調に増加している
- 図書館利用文献情報検索講座(4月〜5月)を実施、460名が受講した
- e-Learning実施(4月授業開始)
- 授業貸出用ノートパソコンを導入し、端末環境を整備
- セキュリテイ強化、啓蒙の一環で、「情報セキュリテイガイド」発行、教職員、学生に配布
- 教員免許更新制システムを導入
教育研究センターは本学の教育研究の充実・発展とともに、関連機関と連携して社会の発展に資することを目的に開設し、次の5研究所からなる。
子ども教育研究所、人権教育研究所、福祉・障害児研究所、高等教育研究所、言語・文化研究所
開設4年目となる平成20年度は、各研究所主催の講演会やシンポジウムを合計12回開催、約1,400名の参加があった。
- 「神戸親和女子大学研究論叢 第42号」
- 「大学院研究紀要」
- 「教育専攻科紀要」
- 「児童教育学研究 第12号」
- 「言語文化研究紀要 第3号」
- 「福祉臨床科紀要 第6号」
- 「教育研究センター 紀要」
- 「心理・教育相談室 研究紀要」
- 平成21年度学部入試
志願者数は実人数で前年度比5.0%増加し、入学者数は468名で定員の1.15倍であった。
留学生入試は、国内受験者の増加もあり、19名の入学となった。
新規に大連(中国)での海外留学生入試を実施した。
- 夏のオープンキャンパス
来場者数は、生徒(7.2%増)、保護者等一般者(11.2%増)ともに2年連続増加した。
新しく、神戸市5女子大による合同PRを行った。
- 入試改革
入試制度改革に取組み2年経過したが、入試種別の多様化の時代から、受験生にとっての
わかりやすさ重視の方向性を出していく必要がある。
公立小学校41名(前年41名)、公立幼稚園3名(前年2名)、公立保育士6名(前年5名)
さらには公立中学校・国語も1名合格するなど、教職関係は順調であったが、景気の急激な悪化により就職率は95.4%と、前年度比較で微減となった。
(1)一般学生対象の奨学金
- 授業料免除 対象者9名 4,275千円
- 貸与奨学金・臨時貸与奨学金 当事業年度貸与額 11,760千円 期末残高38百万円
- 学習奨励・スポーツ奨励・特別プログラム学習奨励生 32名 19,937千円
- 奨励奨学、学長賞 12名1団体 1,150千円
- 災害救助法適用地域における被災学生または受験生への授業料免除・受験料免除等の措置を講じたが、該当者はなし
(2)留学生に対する奨学金
- 所定の学習要件を充足した留学生に対する
授業料減免 94名 19、938千円
給付奨学金 57名 23、040千円
- 留学生に対する住宅補助金
- 学生相談 精神科校医、カウンセラーが心理相談に対応
- 保健室における応急対応
年間利用者数 怪我や病気(1,014人)、体脂肪測定者(630人)、心理的相談(513人)
文化・学術・体育・ボランテイア活動や大学祭など多岐にわたる自主的活動については、学生生活における自立性・社会性の育成、学生相互の啓発等、人格形成上の教育効果を期待して振興している。
ラクロス部の部員が日本代表に選出され海外遠征にも参加して活躍した。バレーボール部は関西大学選手権で準優勝、ソフトボール部は、本年初めて全日本総合女子選手権、全日本大学選手権、西日本大学選手権の3大会同時出場を果たすなど、活躍した。
大学祭は神戸市北区主催の”北区フレッシュフェスタ”と合同開催し、地域イベントに貢献した。
ゼミ単位で活動しているオペレッタボランテイア講演グループは、保育園、幼稚園、小学校を中心に講演し、高い評価を得ている。
(1)入学者数および科目等履修生在籍者数
平成20年度から10月入学生の募集を開始した
|
4月入学 |
10月入学 |
児童教育学科 |
174 |
32 |
福祉臨床学科 |
143 |
29 |
計 |
317 |
61 |
科目等履修生在籍者数:476人(協定20大学 397人、本学通学部52人、一般27人)
(2)スクーリングの開講
期間:平成20年4月〜平成21年2月、開講科目数:108科目、受講者数:4,176人
|
【親和女子高等学校・親和中学校】
(1) 教育理念
本校においては、ひとりひとりが自分のなかの伸ばすべき自分を見つけ出して、それを育てていくことで、ひとりの女性としての自己を創りあげていくことを教育目標としている。
学習面では、個々の知的関心・知的好奇心を育て、自分の追及すべき分野を発見し、さらに大学教育の場で専門性を身につけるべく指導している。また、本学園は神戸親和女子大学を設置しており、中高大と一貫した教育体制の中、個性豊かな女性としての人格形成を目指している。一方、各自の人間性の伸長に対応し、自己の特質を伸ばすにふさわしい学部・学科を研究して進学すべくきめ細かな進路指導を実施している。
生活面では、基本的な生活習慣を身につけ、思いやりのある女性となるよう指導し、生徒が将来自分を律し、自立した女性となるため、学校生活においてのびのびと行動し積極的に活動できるようなサポート体制を堅持している。
(2) 教育課程(カリキュラム)について
中学校では、必要な教科については、標準単位以上の増加単位を設けて、基礎学力の充実に主眼をおいたカリキュラム編成している。また、全人教育の立場から、体ののびやかな発育豊かな情操を育てる芸術教育等の充実も図っている。
高等学校では、教科課程は個性に応じた進路(大学進学)実現のため幅広い編成をしている。
また、1年生からコース制を採用、生徒個々に応じたクラス編成を実現し、2、3年生では、自分の能力、適性、興味、関心などにより、大学受験に対応した、文系、理系のコースを選択できるようにしている。
(3) 学校行事
親友会(生徒会)を中心とした生徒自身の手で作りあげ、中学生、高校生が一体となって、企画から実施運営にいたるまで組織的、創造的に実施している。
主な行事、文化祭(5月3日)、球技大会(7月14日)、体育祭(9月27日)、音楽会(11月15日)
(4)ボランティア活動
ボランテイア活動を通じて、人を理解する心や、人を思いやる心の育成に努める。
- 介護講座、介護体験学習の実施
- 青少年赤十字に全校加盟
(5)クラブ活動
文化部21、運動部10のクラブが、中学生、高校生一体となって活動している。
書道部の生徒作品が近畿総合文化祭に出品されるなど、器楽部、コーラス部、ギター部
書道部、美術部、写真部などの活躍が顕著である。
(1)異文化理解教育
- オックスフォード大学英語・文化研修
7月28日〜8月11日 高校2年生 49名参加
大学の学寮に宿泊し、現地の女子大生が生徒のケアをする
午前90分×2:EFLの授業
午後60分:「英国の文化・社会」の授業
放課後:種々のアクテイビテイに参加
週末:近郊の史跡等へ研修旅行
- メルボルン短期交換ホームステイ
派遣:7月25日〜8月15日 高校1年生 7名参加
オーストラリアの家庭生活を送り、MacLob校に通学
受入:11月21日〜12月11日 MacLob校生 7名参加
本校から留学した生徒7名の家庭が、MacLob校生を受け入れ留学生が本校に通学
(2) 外国人講師による英会話授業
- 講師6名 週54時間
- 中学1〜3年および高校1年の特設「英会話」は、クラスを2つに分け母国の異なる講師による少人数授業を実施
(3) 数学科 土曜学習会および選択補習の実施
- 土曜学習会 年間17日実施
- 選択補習 夏休み等長期休業期間を中心に生徒の進路希望に合わせ実施
(4) 総合学習(卒業論文の作成)
- 高校2年時に生徒全員が各自選択した課題に従い、卒業論文を作成する
- 作成にあたり校長、教頭はじめ全教員が分野ごとに数名の生徒を担当指導
(1)ホームページによる情報発信の強化
- 在校生やその保護者だけでなく、卒業生や受験生に向けてのコンテンツも追加
- 月間に数度の更新を維持し、キャンパスの情報を広く発信
(2)オープンスクールの実施
- 入試広報活動の一環として、8月3日に実施、小学生約430名および保護者が参加
- 模擬授業、クラブ体験、施設見学、ミニコンサート等をおこなう
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【施設等の状況】
所在地 |
施設等 |
面積等(u) |
取得価格(千円) |
帳簿価格(千円) |
神戸市北区 |
大学
校舎敷地・運動場等 |
35,038 |
1,190,626 |
1,190,626 |
校舎5棟 |
14,403 |
3,108,768 |
1,534,320 |
図書館 |
2,739 |
638,573 |
238,752 |
学生会館 |
3,780 |
820,080 |
527,214 |
体育館 |
1,811 |
166,902 |
79,082 |
学生寮 |
1棟 |
234,228 |
130,842 |
神戸市灘区 |
高等学校・中学校
校舎敷地・運動場 |
32,849 |
7,560,808 |
7,560,808 |
校舎 |
23,600 |
4,111,441 |
2,326,307 |
注:神戸市灘区に高等学校・中学校校地の緩衝地 5,389u、 簿価1,325百万円を所有しています
(1)神戸親和女子大学6号館スポーツ教育健康センター新築工事
- 工事概要
事業規模:延床面積 1,375u
建物概要:鉄筋コンクリート造 地上3階
工期:平成21年1月〜平成21年9月
建設予算:346百万円
所在:神戸親和女子大学 鈴蘭台キャンパス敷地内
- 平成20年度の建設仮勘定支出 60百万円
(2)親和女子高等学校・親和中学校創立120周年記念事業
- 高等学校・中学校 講堂舞台機構天井反射板・ホリゾント幕自動化
およびスクリーン電動化工事 15百万円
(3)その他施設関係の主なもの
- 大学学生会館 記念講堂床改修、2・3階女子トイレ改修、外壁改修等 10百万円
- 高等学校・中学校 調理室系統等空調機器改修 18百万円
- 高等学校・中学校 テレビ電波障害施設デジタル対応工事 4百万円
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【対処すべき課題】
本学園の安定的かつ継続的な教育研究活動の財政基盤を再構築するため、平成21年度を助走期間とし平成26年度を目標年度とする「財政健全化計画」を策定しました。
この計画の柱は、本学園の財政健全化に向けて、中長期的な方向性と指針を明確に示し、それを役員・教職員が共有し、計画を実現するための具体策と手順です。
『財政健全化計画』の骨子
(1)自己資金を充実する
当該年度の「収入」(帰属収入)の範囲に、当該年度の「支出」及び「基本金組入」を収めるという原点に返る
(2)支出構成の適正化
@)高止まり傾向にある人件費比率(人件費支出/帰属収入)の改善
A)教育研究経費支出への還元率(教育研究経費支出/帰属収入)を維持
(3)財務比率に数値目標を設定
- 消費支出比率(消費支出/帰属収入)
- 人件費比率(人件費/帰属収入)
- 教育研究経費比率(教育研究経費/帰属収入)
- 消費収支差額比率(消費収支差額/帰属収入)
(1)神戸親和女子大学
(2)親和女子高等学校・親和中学校
- 生徒個々に対する教科指導を徹底し教育内容を充実する
(習熟度別授業、少人数授業、高校新コース制)
(3)法人部門
- 業務機能の制度的枠組みの見直し
- 事務の効率化、人的効率の向上による経費削減
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【決算の概要】
前年度末(平成20年3月31日)対比で増減の主なものは次のとおりです。
固定資産は26億18百万円減少しておりますが、これは流動性保持が目的の売却と期末評価減による有価証券の減少24億78百万円が主たる要因です。
流動資産の489百万円減少は、金融派生商品運用取引撤退支出に伴う現預金の減少です。その結果、資産の部合計では、31億8百万円の減少となりました。
負債の部合計では、5億76百万円増加しております。これは資金需要の繁閑に機動的に対応できる随時返済型の短期借金が期越えとなり、長・短借入金合計で4億96万円増加したものです。
基本金の部は、校地取得・校舎改築等の借入金返済103百万円、大学のスポーツ教育健康センター建設仮勘定60百万円などの組入れに対し建物・構築物の除却などもあり1億2百万円増加しました。
(1)資金収支
本年度の収入合計は87億12百万円、支出合計は92億41百万円で、差引き529百万円の支出超過となりました。この概括的要因は、デリバテイブ取引解約・清算関連の支出によるものです。 (2)消費収支
前年度対比で、学生生徒納付金は34百万円(1.1%)、補助金9百万円(1.2%)と増加しましたが、帰属収入合計では、304百万円(6.4%)減少しました。この主たる要因は資産運用関連収入の減少305百万円によるものです。
消費支出においては、前年度対比で人件費162百万円(6.0%)、教育研究経費48百万円(4.4%)増で、消費支出合計ではデリバテイブ取引解約・清算関連の特殊要因を除いては43百万円の微増となりました。
本年度は特殊要因で、デリバテイブ解約清算損1,813百万円(管理経費)、市場相場低迷の環境下、流動性保持が目的の有価証券売却による有価証券処分差額1,471百万円(資産処分差額)があります。
このような特殊要因を除いた、本年度の帰属収支差額はマイナス399百万円であります。
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【その他】
区分 |
銘柄 |
数量(口) |
貸借対照表上計上額(円) |
時価(円) |
計上科目 |
債券 |
ユーロ円建債券 |
21 |
766,444,650 |
606,154,650 |
有価証券 |
投資信託 |
|
1 |
49,135,026 |
49,135,026 |
有価証券 |
計 |
22 |
815,579,676 |
655,289,676 |
|
借入先 |
借入金残高(円) |
利率(%) |
返済期限 |
摘要 |
日本私立学校振興・共済事業団 |
231,350,000 |
3.25 |
平成27年9月 |
校地拡充 |
日本私立学校振興・共済事業団 |
573,000,000 |
3.0 |
平成32年9月 |
校地校舎改修等 |
日本私立学校振興・共済事業団 |
292,500,000 |
3.0 |
平成33年9月 |
校舎建築 |
株式会社東京三菱UFJ銀行 |
300,000,000 |
1.475 |
随時返済 |
運転資金 |
株式会社三井住友銀行 |
300,000,000 |
1.475 |
随時返済 |
運転資金 |
合計 |
1,696,850,000 |
|
|
|
寄付金の種類 |
寄付者 |
金額(円) |
摘要 |
特別寄付金 |
|
|
|
120周年記念事業募金 |
保護者、卒業生、教職員等 |
9,010,000 |
|
大学教育研究振興資金 |
保護者、卒業生、教職員等 |
7,800,800 |
|
一般寄付金 |
― |
450,000 |
|
現物寄付金 |
卒業生、退任教員等 |
4,494,847 |
|
(単位:千円)
補助金の種類 |
大学 |
高等学校 |
中学校 |
合計 |
国庫補助 |
私立大学経常費補助金 |
295,464 |
|
|
295,464 |
政府開発援助外国人留学生修学援助 |
7,384 |
|
|
7,384 |
私立学校施設整備費補助金 |
|
2,000 |
|
2,000 |
計 |
302,848 |
2,000 |
|
304,848 |
地方公共団体補助 |
神戸市私立学校振興助成金 |
|
3,659 |
|
3,659 |
結核予防費補助金 |
166 |
95 |
|
261 |
私立学校経常費補助金 |
|
255,251 |
196,762 |
452,013 |
私立学校経常費特別補助金 |
|
976 |
976 |
1,952 |
生徒授業料軽減補助金 |
|
7,900 |
|
7,900 |
入学資金貸付金利子補給金 |
|
2 |
|
2 |
計 |
166 |
267,883 |
197,738 |
465,787 |
その他 |
兵庫県私立中・高等学校
人権教育推進費配分金 |
|
30 |
30 |
60 |
研究連携コンソーシアム形成支援 |
100 |
|
|
100 |
計 |
100 |
30 |
30 |
160 |
合計 |
303,114 |
269,913 |
197,768 |
770,795 |
役員法人等の名称 |
資本金等
(千円) |
出資割合
(%) |
取引の内容 |
事業の内容または職業 |
神戸親和女子大学
生活協同組合 ※注1 |
23,150 |
53.0 |
土地、施設設備の無償使用 |
学生及び教職員に対する福利厚生事業 |
(株)クリムゾンフットボールクラブ ※注2 |
980,000 |
- |
パートナーシップ契約サッカー観戦、うちわ制作費 |
サッカー及び他のスポーツ興行企画及び実施 |
※注1:関係法人
※注2:役員の近親者が支配している法人、取引金額は、当法人との交渉により決定している。
属性 |
役員名 |
取引の内容 |
理事 |
田村 晃 |
借入金および車両リースの連帯保証 ※注3 |
※注3:当法人の日本私立学校振興・共済事業団からの借入金1,096,850千円および未経過リース料2,546千円に対して、当法人理事長 田村 晃が連帯保証人になっている。なお、保証料の支払は行っていない。 |
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